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  • 2019.10.18

【使用機材紹介】 真空管リミッター・コンプレッサーFairchild670~レコーディングやトラックダウン等でご活用ください

プロユースのレコーディングスタジオであるMIT STUDIOでは、アナログレコード時代から活用されているFairchild670をご用意しています。今回はこのFairchild670についてご紹介いたします。

Fairchild670について

Fairchild670は、1950年後半に作成されビートルズのレコーディングで使用されたことで有名な真空管コンプレッサー・リミッターです。ご用意しているスタジオ機材の中でも希少で、部品のほとんどが真空管で構成されメンテナンスが困難とされる中、その素晴らしいサウンドで未だに重宝されています。

Fairchild670 正面

Fairchild670は、1950年代後半にレイン・ナーマ氏という人物によって設計されました。長年に渡って放送スタジオやマスタリングスタジオで活躍していましたが、そのサウンドはボーカルなど様々なソースにも評価され後に、レコーディングスタジオでも使用されるようになりました。

Fairchild670は6Uラックサイズで14個のトランスと20個の真空管から構成されており、総重量は65ポンド(約30kg)になります。生産台数は約1000台とされており、その希少性と構成部品のメンテナンスの難しさから、現在はコピー品やプラグインによって使用されることがほとんどです。

代表的なプラグイン

キャラクターを決定するアタック/リリースタイムと真空管サウンド

Fairchild670 裏面

Fairchild670はアタックとリリースを個別に設定することができません。”Time Constant”というツマミで、あらかじめ用意された1~6の設定から選択して使用します。

つまみの3~6は非常に早いアタックと遅いリリースで、自然で音楽的なコンプレッション/リミッティングを与えます。このキャラクターは入力される音を原音とほぼ変わらずコンプレッションすることが可能です。

Fairchild670といえばビートルズのレコーディングで使用されたことで有名ですが、そのサウンドはつまみの1,2で再現することができます。この設定はビートルズのドラムのようにサウンドに真空管特有の歪みを与え、暖かく力強いサウンドにすることが可能です。

元々、機材の回路保護のために開発され、設計目標を”自然なコンプレッション/リミッティング”としたFairchild670ですが、ビートルズに代表される真空管のキャラクターはコンプレッションせず、INPUTを通すだけでも付与することが可能です。

真空管コンプレッサーならではの特徴

Fairchild670は真空管式コンプレッサーで、早くて200ms遅くて400msの遅いアタックと真空管の歪みによる暖かく自然なコンプレッションができるのが特徴です。

真空管式と光学式の違い

同じ真空管を使用したコンプレッサーに「TUBE-TECH CL-1B」というものがあります。

しかし、このコンプレッサーは真空管式ではありません。これは動作回路の違いに理由があります。

真空管式のコンプレッサーは回路の入力段に、入力レベルによって抵抗値が増える真空管を使用しています。これは入力レベルが上がるほど真空管による色付けが強くなることを意味します。

対して、CL-1Bは入力段に、CdSフォトレジスタという部品を使用した光学式のコンプレッサーで、真空管は出力段に使用しています。このように、コンプレッサーは動作方法が違うことで真空管を使用したものでも音質に違いが出てきます。

MIT STUDIOでは、真空管式や光学式のほかにも様々なタイプのコンプレッサーをご用意していますので、是非お試し下さい!

※MIT STUDIO 機材リスト

Fairchild670に使われている20個の真空管について

真空管を使用した機材の多くは「自然で温かい音」という特徴を持っています。これは真空管を使用することによって偶数倍音というものが発生し、この偶数倍音が人に自然で温かい印象を与えるからです。Fairchild670に8種類の真空管が使用されています。

  1. NATIONAL 6386×8
  2. メーカー不明 5651
  3. SOVTEK 12AX7×2
  4. RCA 12BH7×2
  5. Ampex 6084
  6. RCA 6973×4
  7. TOSHIBA 5AR4
  8. MATSUSHITA 6CA7
真空管の種類

このなかにはすでに販売が終了しているものもあるため、音以上に非常に貴重なものになっています。音に関しても様々なメーカーが真空管を出し、それぞれ違う音を出します。

ヴィンテージコンプレッサーの代表格を是非ご利用ください!

このように他にない素晴らしいサウンドを持った”Fairchild670”。今でも多くのエンジニアやアーティストに愛され続けています。MIT  STUDIOではメンテナンスが行き届き、今でも現役で活躍してるFairchild670をご利用いただけます。

RecやTDでの使用やマスターに通すだけの使用も、弊社音楽エンジニアが最後までサポートさせていただきますので、是非お気軽にお問い合わせください。

著者:柘植 裕生(音楽アシスタント)

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