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  • 2019.12.18

定番マイク『SHURE SM57』について~用途・歴史・改造方法など

スタジオレコーディングやコンサートの現場において欠かせない存在であるマイクが『SHUREのSM57』です。プロユースのレコーディングスタジオであるMIT STUDIOでは、共有機材としてSM57を取り揃えております。今回はそのSM57についてご紹介します。

用途多彩な定番マイク『SM57』

定番マイクとしての魅力ある1本

SM57とは、1965年にSHUREから発売されたマイクで、レコーディングでは、スネアやエレキギターを録音するマイクのファーストチョイスとして、多くのエンジニアから支持されてきました。他にも、ハイハット、アコースティックギター、金管楽器など、様々なソースに使う事が出来ます。

また、レコーディング以外でも様々な現場で重宝されています。ライブの現場では、上記に加えて、ハードロックバンドのボーカルや、ピアノのモニター用マイクとしてもよく使われており、1970年頃からは、アメリカ大統領のスピーチでは決まってSM57が使われています。このように、昔から様々な場面でスタンダードに使われてきたマイクです。

SM57の歴史について

ここで少しSM57に関する歴史をご紹介します。まず、SM57が発売される6年ほど前、『545 UnidyneⅢ』というマイクが発売されました。これがSM57の前型となるものです。

形はほとんどSM57と同じですが、主に、ボディが銀色、オンオフスイッチ付き、トランスレス仕様、インピーダンス切り替え可能、という違いがあります。そしてその545 UnidyneⅢに使われているUnidyneⅢカートリッジを使って、スタジオ用マイクとして開発されたものがSM57になります。ちなみに、SM57の『SM』とは『Studio Microphone』の略です。

このSM57の姉妹品として、ホルダーとマイクを合体してストレートスタンドに取り付けやすくした『SM56』、小型でトランスレスの「SM77」などがあります。その1年ほど後に、同じくUnidyneⅢカートリッジを使った、『SM58』が発売されました。カートリッジのマウントの仕方が異なるため特性は少し異なるものの、マイクグリルとポップガードがついた事以外はSM57と同じ仕組みのマイクです。

SM57にマイクグリルとポップガードがついた『SM58』

ちなみに、その後1970年台中頃に、『SM7』というマイクが発売されました。これはUnidyneⅢカートリッジを基に、音声放送に使いやすいように設計されたマイクで、マイケルジャクソンのボーカルレコーディングで使われたことでも有名です。

音声放送やボーカルレコーディングに使われる『SM7』

様々な改造されたSM57

SM57はボディの部分を取り外すことができます。その仕様を利用してマイクを改造するという事もなされてきました。

『SM57』のボディ部分を外せるためカスタマイズ可能

SM57の高域と低域がロールオフしている特性を変える目的で、ボディに入っているトランスを交換する、又は抜くという改造が最も一般的に知られています。このような、交換用のトランスも販売されています。

関連サイト:ZenPro Audio TAB FUNKENWERK AMI T58 TRANSFORMER

ただトランスを抜く改造をした場合、特性は変わるものの出力レベルが下がります。そこでその下がった出力レベルを上げるために、アクティブサーキットを入れ込むような改造もあります。

また、SM57はスネアやキャビネットなどマイクスタンドが密集している場面で使われることが良くあります。そんな場面でマイクを音源に向けやすくするために、ボディに90度角度を着けるような改造もあります。

関連サイト:Granelli Audio Labs

MIT STUDIOのSM57

MIT STUDIOには、SM57LCを10本取り揃えております。『LC』とは『Less Cable』の事で「ケーブルは付属していません」という意味合いです。また、ビンテージの『UnidyneⅢ made in USA』と刻印があるものも世の中にありますが、多少パーツの違いはあるものの「本質的には同じもの」とSHUREのサイトに書かれています。

楽器やボーカルのレコーディング、ナレーションの収録に関しては、是非弊社までお問い合わせください。

著者:MIT STUDIO(音楽エンジニア)

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