- STUDIO
- 2020.09.09
無指向性マイク「Bruel & Kjaer model 4006」~用途や特性や「QTC40」との違いについて
今回は、以前のブログで「EarthworksのQTC40」を紹介した際にも、名前をあげた「Bruel & Kjaer (DPA) 4006」をご紹介します。
関連リンク:高感度の無指向性マイク「Earthworks QTC40」~特性や用途など
以前のブログでは、「QTC4の方がB&K4006よりもリアルなサウンドを演出できる」とお伝えしましたが、今回ご紹介するB&K4006も、プロユースのスタジオには高い確率で常備されており、QTC40にも引けをとらず、見た目かっこいい本当に良いマイクロフォンです。
Bruel & Kjaer (DPA) 4006
B&K4006の用途や特性など
このB&K4006はMIT STUDIOでも、非常に使用されることが多いマイクロフォンで、主にアコースティック楽器(アコースティックギター、ピアノ、ストリングス、ブラスセクション、木管セクション、ハープなど)のレコーディングに使われています。
その理由としては、低域から高域にかけて限りなくフラットな周波数特性を持っていることがあげられます。また、収録時の回線的なノイズの量が少なく好感度なマイクロフォンのため、近くの音を収録する際はもちろんのこと、音源が少し離れた状況でも、元の楽器の音の特性を損なうことなく収録ができます。
アコースティックギターやピアノ、ハープなどの単体の楽器には、オンマイク(メインマイク)として使用されることが多く、オンマイクとして使用する際には、楽器から出ている音をその場で聴いているかのように忠実に収録することができます。
逆に、セクション(ストリングスやブラス、木管、コーラス隊など)の収録には、ルームマイク(アンビエンスマイク)として使用されることが多いです。ルームマイクとして使用する際は、その部屋の響きを忠実に収録できるだけでなく、低域から高域まで色付けが少ないため、セクション内の楽器ごとの音をうまくつなぎ合わす役割も果たしてくれます。
もちろん、単体の楽器の収録時のルームマイクとしても活用でき、リバーブなどでは表現しきれない、その場の響きを再現し、ホールで聴いているかのような、音の温かみを再現してくれるため、とてもおすすめです。ホールなどにも置いてあることが多く、アコースティックな音の収録において信頼性が高いマイクであることも伺えます。
ブースの特性に合わせて使用するマイクを選定
「QTC40」との違いとして、以前のブログでも「リアルさ」という表現をしていますが、レコーディングの現場において、必ずしもリアルであれば良いというわけではありません。
ルームマイクとして使用する際の例ですが、MIT STUDIOのブースの特性上、部屋の広さの割によく響き、響きの長さが短い特徴があります。QTC40は、こうした部屋の特性をよりリアルに表現できますが、このような部屋の響きがあまり見えてしまうと楽曲の世界観とマッチしない場合もあります。そのような場合にB&K4006を使用すると「リアルだけどリアルすぎない」音像を表現してくれます。
いかがだったでしょうか?MIT STUDIOでは、様々なサウンドに応じた機材をこれからも揃えていきます。ぜひ、お問い合わせお待ちしております。
著者:MIT STUDIO(音楽エンジニア)