- MIT CREATIVE
- 2025.11.05
ギターアンプシミュレーター「Neural DSP – Mesa Boogie Mark IIC+ Suite」をご紹介
MIT CREATIVEでは、WEB/TVCM、企業VP(ビデオパッケージ)、ゲームや遊技機等で使われる、BGM制作や、選曲、効果音制作など、「音」に関わる業務を、幅広く行っております。
最近、ギターアンプシミュレーターのプラグインを見直してみようと思い、Neural DSPの「Mesa Boogie Mark IIC+ Suite」の試用版を使ってみたので、特徴や感想をご紹介したいと思います。Neural DSPはギター/ベース用のアンプ/エフェクト・モデリング技術を中心としたソフトウェア/ハードウェア開発を手がけるフィンランドのブランドです。
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Mesa Boogie Mark IIC+ Suite主な特徴
高精度なモデリング
Neural DSPは、代表的なアンプ(Mesa Boogie Mark IIC+, Soldano SLO-100, Fortin Nameless など)を、モチーフにしたモデリングを行っており、アンプの入力部~プリ段~パワー管~出力部、挙動を可能な限り再現することを目指しています。
豊富な IR / キャビネット・シミュレーション
多数のインパルス応答(IR)が付属しており、ミック配置、距離、位相、パンなどを仮想的に操作できるようなキャビネットモジュールを備えています。ユーザー自身の IR を読み込み可能です。ちなみにIRとは、実在するキャビネット(スピーカーボックス)の音響特性を再現したオーディオデータファイル(インパルス・レスポンス)のことです。
プリセットの充実
アーティスト監修のプリセットや、様々なジャンル向けのトーンが最初から多く用意されており、どのモデルかにもよりますが、Mesa Boogie Mark IIC+ Suiteでは17名のアーティストのプリセットが用意されていました。
アンプヘッドの操作画面

実際にアンプのつまみを触って細かく調整しているようなリアルなUIです。
キャビネットの操作画面

アンプヘッドだけでなく、キャビネットのマイキングの調整次第で音が柔らかくなったり、とげとげしくなったりするので、奥が深いです。
エフェクターの操作画面

エフェクターの数でいえば、BIAS FX等のアンプシミュレータープラグインには劣りそうですが、基本的な音作りする上では十分かなと感じました。画像にはないですが、空間系エフェクター(リバーブやディレイ)も搭載されていました。実際に今回のプラグインを使用して簡単にデモを作成してみました。
Neural DSPデモ音源
使ってみた感想ですが、特定のアンプを忠実に再現することに重きを置きつつ、張りがあってナチュラルなサウンドが鳴る印象でした。1つのモデルにつき使えるアンプは1つだけなのと、使用できるエフェクターも限られていますが、逆にシンプルで操作に迷うことがなく、音作りする上で使いやすかったです。
コスト面に関しては注意が必要で、Neural DSPはアンプやアーティストごとの単体販売となっているため、一度買ってしまえば色々なアンプが使えるような他のプラグインよりは、割高に感じるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。調べていくと他にもまだ知らなかった、アンプシミュレータープラグインが沢山出てきたので、試用版があればまた色々試してみたいと考えています。
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著者:針生将宏(サウンドクリエイター)