- STUDIO
- 2025.09.10
【新機材】音を視覚化するラウドネスメーター「TC Electronic Clarity M」の機能をご紹介
MIT STUDIOが三田(田町)から東新宿に移転して、様々な機材や環境等が変わりました。今回はMAスタジオ(StudioA、Studio3、Studio5)に導入しました、新機材のラウドネスメーター(TC Electronic Clarity M)についてご紹介いたします。
TC Electronic Clarity M

Clarity Mとは、「7インチ・ディスプレイ」及び「プラグイン・メータリング対応デスクトップ型オーディオメーター」という機材になります。今回ご紹介する機能はあくまで一部になりますが、今回は主に3つのメイン機能をご紹介いたします。
①ラウドネスメーターレーダー
普段視覚的には見えない「音」を視覚化し、その時のMAXレベル(Peak)と、平均のラウドネス値を数値化してくれます。MA作業では、主にMIX時などに決まったレベルに合わせる必要があるため、そのような場面で、リアルタイムにどの程度の音量なのかを視覚化してくれます。収録時には、小さいセリフや大きいセリフの許容範囲のガイドにも使えます。
②RTA(リアルタイムアナライザー)
個人的には見ていて一番好きな機能です。1/3オクターブ解像度対応で、パラメトリック・バンド・ズーム機能による、ミックスのスペクトラル分布によるオーバービューにて表示します。簡単にいうと、周波数をリアルタイムに表示してくれます。
「LowCutがどれだけきいているか」、「この人の声はどういう周波数の成分が多いのか」などを、視覚化してくれるので、見てて面白いです。「誤ってLowCutを忘れた」といった状況においても、気づくことができるのではと思います。また他のスタジオで収録した声(Sample)と、今とっている音の比較で、EQ(Equalizer)で音質調整する際にも、目安になります。
③VSCOPE位相・定位(Phase)の表示
こちらの機能は、MAの収録においては、そこまで使うことはないのですが、位相メーターになります。音の定位が、位相なのか逆位相なのかを知ることができます。
例えば、楽器などの収録では、マイクを2本立てた際に、その波形が位相と逆位相であれば音が打ち消しあってしまって音がなくなってしまう(減衰)してしまうという現象が発生しています(ノイズキャンセリング等などに活用されています)。そのような場面で、視覚的にわかるようになっています。
尚、上記3つの機能はそれぞれ切り替えで表示でき、さらに追加して右半分にTruePeak、Loudnessnなどを常に一緒に表示することも可能です。
まとめ
今回は「Clarity M」の機能についてご紹介いたしました。音というのは普段目に見えないため、感覚の部分を言語化して説明する事はなかなか難しいのですが、このような機材があると、あくまでガイドではありますが、表現の言語化や自身の作業の参考になるため、とても助かります。今回紹介したClarity M以外にも、このような機能がある機材やプラグインもありますので、また別の機会にご紹介できればと思います。
MIT STUDIOではゲーム・アニメ・音楽・VP・ラジオCM・撮影等様々な用途の収録など様々なお客様にご利用いただいております。もし、何か収録等にお困りでしたらお気軽にご相談・お問合せください。
著者:立野勝也(MAエンジニア)