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  • 2024.12.09

新スタジオに導入するラージスピーカーの試聴会~3種類のスピーカーの印象・感想など

(2024.12.9 追記)

以前、お知らせしたとおり、MIT STUDIOは2025年春に東新宿に移転する運びとなりました!そして先日、新スタジオに導入するラージスピーカーの試聴会を行いました。今回はそのラージスピーカー試聴会について書かせていただきます!

2024年現在、MIT STUDIOのラージスピーカーは、STUDIO 1では「WESTLAKE TM-3」、STUDIO 2では、「GENELEC1034A」、ニアフィールドスピーカーは、どちらのスタジオも「GENELEC8341」を使用しています。今回、音楽エンジニアで話し合い、候補に上がったラージスピーカーは下記です。

  • GENELEC1234
  • GENELEC1238A
  • PMC8-2
  • ATC110

ラージスピーカーの感想

試聴会参加スタッフは、各々リファレンスを持ち込み、スピーカーの位置や高さも色々試し、計6時間ほど試聴していました。こんな機会は滅多にないため、とても楽しく、いい機会になりました!

GENELEC1238A

  • GLMキャリブレーション機能があり、現在ニアフィールドで使用している8341と音像が似ていて聴き慣れている音がした。
  • レンジ感が広く、どの帯域もフラットで聴きやすい。
  • ニアフィールドスピーカーの8341と音が似ている点が、ラージスピーカーとして使う際の良し悪しがエンジニアによって分かれそうとの意見もありました。

普段聴いているニアフィールドがGENELEC8341、第2スタジオのラージがGENELEC1034Aということもあり一番聞き馴染みのある印象でした。そのような理由より将来作業する際のビジョンが今回のスピーカーの中で一番見えました。縦置き、横置きで聴き比べもしたがリスニングポイントなどの関係から横置きでの運用が良さそうに感じました。

内側:GENELEC1238A 外側:PMC8-2

PMC8-2

  • 上下ともにレンジが広く、聴いていて心地よかった。
  • スピード感のある曲でもアタック感がはっきり聞こえた印象。
  • PMCのスピーカーをしっかり聴くのは初めてなこともあり、仕込みでうまく活用できるのか、慣れるまで時間がかかりそう。
  • 公式資料によるとエイジングが50時間ほど必要とのことでした。

初めて聴くのに加え、すっきりとした印象と書いた「GENELEC1234」と連続で聴いたためか、第一印象はかなりローミッド以下の膨らみ方に驚きました。低域感などに体と耳が慣れてくるにつれ、前までのスピーカーに比べて、レンジが広く感じ好印象へと変わっていきました。音のスピード感も効いていて、とても気持ちよかったです。聴いていてとても気持ちがよく、すごく良かったのですが、気持ち良いものが作業に適しているかは別で考えなければいけない点なので、時間があれば1度このスピーカーで、Mixなどの仕込み作業をしてみたいなと思いました。メーカー推奨の置き方である「ウーファーを外側にする」置き方も好印象でした。

内側:GENELEC1234 外側:PMC8-2

GENELEC1234

  • 1238よりスピーカー自体の大きさが大きいこともあり迫力がありました。ただ大きさの問題で新スタジオには導入が難しいとの結論に至りました。
内側:GENELEC1234 外側:GENELEC1238A(横置き)

商業スタジオとして、他のスタジオとの兼ね合い、外部スタジオのエンジニアが持ち込むスピーカーが、GENELECのものが多いこともあり、音楽エンジニアの中ではGENELEC1238Aが、ラージスピーカーとして良いのではという結論に至りました。

ATC110

MIT STUDIO内での試聴会には、都合が合わなかったため、後日外のスタジオで試聴させていただきました。緻密なルームチューニングされている環境というのも大きく関係してはいるのですが、個人的には1番好印象のスピーカーでした。全体のバランス感もよく、ジャンルによる表情の変わり方などもかなり感じやすかったです。

Mixの状態により、かなり聴こえ方が変わり、作業の際もシビアに見れるなと思いました。使用の際は縦置きでしたが、弊社で運用するなら横置きになりそうでした。その際の変化も事前に聞いてみたいと思いました。

ラージスピーカーの試聴会を終えて

レコーディングスタジオを、1から作る機会など、今後ないかもしれないので、慎重に選定しています。ラージスピーカー以外にも、決める事はたくさんあり、スタジオを作ることの大変さを、日々実感しています。スタッフ一同、より良いスタジオを作るために、日々ミーティングを行っており、音楽スタジオは、とにかくモニター環境をよくすることを目標にしています!

このような体験ができる機会はとても貴重なので、どのスピーカーもかなりじっくりと聴き込みました。普段の作業時にリフファレンスにする音源から始まり、普段個人的に聴く好きなアーティスト、自分がお仕事させていただいた楽曲、弊社で携わることの多いジャンルなど・・・さまざまなパターンで聴き比べられたので、非常に有意義な時間であり単純にとても楽しい時間でした。

今のスタジオがなくなってしまうことは、正直寂しさもありますが、新しいスタジオを作れることをとても嬉しく感じています。皆様にもぜひ楽しみにしていただきたいです!!

現在エンジニアの意見や、スタジオ運営の観点からなど、どのスピーカーにするのか協議中です!新スタジオオープンの際には、ぜひこちらのスピーカーも楽しみにしていただければと思います!お問合せお待ちしております。

著者:荒谷莉子小島悠輔(音楽エンジニア)

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