- STUDIO
- 2024.08.06
音楽制作環境の変化に伴う「コンソールの優位性」について
こんにちは。音楽エンジニアの小島です。日頃からさまざまなクライアント様とご一緒させていただく中で、昨今の「音楽制作環境の変化に伴って、スタジオの形は変化してきた」という旨の会話になることが、増えたように感じてます。そこで今回は商業スタジオであれば使用されることが非常に多い、「コンソール」に話を絞って、色々とご紹介できればと思っております。
昨今のミキシングコンソールの立ち位置
以前にもコンソールの紹介をしているブログがあるので、よろしければそちらもご覧ください。以前のブログでも、冒頭に触れられていますが、最近はコンソールのないスタジオが増えてきています。
関連リンク:第1・2スタジオで使用『SSL SL4064G』~安心感をもたらす定番ミキシングコンソールの4つの特徴
コンソールがないスタジオの理由
- マルチチャンネルの楽器収録の機会の減少
- ProToolsの扱いやすさの向上
- コスト、費用対効果の面
以上の3点が大きいと思われます。それでも尚、コンソールが残り続けて使われているのかを使用例を交えながらご紹介します。
現在のレコーディング環境について
上記で「マルチチャンネルの楽器収録の機会の減少」と書きましたが、機会が全くなくなったわけではありません。しかしながら以前の環境に比べて、打ち込み音源のクオリティの進化や、楽曲のアレンジ面で生楽器を必要としないものが増えてきている傾向があるというお話を、ご一緒するエンジニアさんやディレクターさんからお聞きすることが多いです。
この二つの話を元にざっくりと言ってしまうと、「楽曲の中で生で収録するものが歌だけ」というものが増えてきているということになります。そのため「コンソールのないスタジオが、新規で作られることが多い」という流れになります。
しかし!そんな中で、MIT STUDIOでは日々、3リズム編成のリズムレコーディング、ストリングスセクションでのダビングや、木管、金管を交えての劇伴収録など、多種多様な収録をさせていただいております。コンソールを使う機会は減りつつも、それができるという強みを最大限に活かして、レコーディングを行なっています!
マルチトラックの録音と作業の分担
収録する楽器や使用するマイクが増えるほど、コンソールの役割や重要度が高くなってきます。コンソール自体のHA、Comp、EQなどの、味を求めて使うマルチチャンネルを、同時に制御しながらProToolsに録音するなど、便利な点が非常に多いです。
その中でも最近私自身が、エンジニア、アシスタントの両方をさせていただく中で、一番利便性を感じたのが、「エンジニアとアシスタントの作業の分担ができ効率化できる点」です。
テイクの管理や、波形編集は基本アシスタントが担当していますが、その作業中にモニターバランスを整えたりなどの作業をエンジニアがするとなると、ProToolsだけしかない状態の場合は、どちらかの操作ができなくなってしまうタイミングが、必然的に生まれてしまうのです。
それによりクライアントさんに聞いてもらうまでの時間が、長くなってしまうこともあるため、別作業を同時に進められて、時間を効率よく使える点は、コンソールがあることの長所となりうると思います。マシンやツールが便利になっているのに、昔できたスピード感に劣るわけにはいかないので、そこは新旧のやり方と知識を織り交ぜて、より良い作業環境になるべく日々努力しています。
様々な規模感に対応できるスタジオ
少し長めになってしまいましたが、「コンソールの利点」について、少しでもご紹介できればと書かせていただきました。
「生収録は歌だけ…」のくだりがありましたが、そんな場合でもトラック数が膨大になり、コンソールに立ち上げた方がやりやすい!という場面も多くあるので、まだまだ現役です。私個人としても、歌だけの収録でも、コンソールに立ち上げた方が便利に感じるため、日々使い続けております!
MIT STUDIOでは、歌だけの収録から、バンド収録、劇伴収録まで、様々な規模の作業に柔軟に対応いたします。初めてご利用になる方でも、弊社エンジニアがしっかりとサポートさせいていただきますので、是非、お気軽にご相談・お問合せ下さい!