- STUDIO
- 2023.09.15
音声収録の流れについて~オンリー録りの方法
以前、新人エンジニアの1日をとりあげさせていただきました。今回は、新人MAエンジニアが、初めに経験する収録方法『オンリー録り』についてお伝えできればと思います!
関連リンク:新人MAエンジニアの1日〜収録の日の『アシアシ』の作業内容について
収録の種類
現在MIT STUDIOでは、主に3つの収録方法を使って、収録を行なっています(VP/ゲーム収録時)。
- オンリー録り・・・映像などの無い、音声のみの収録
- 画有り収録・・・VPやゲームPVなど、映像と合わせて収録
- 波形合わせ・・・主に海外の音声素材がある、ゲーム収録に使われる収録方法
オンリー録りは、全ての収録方法の、基盤となってくるものになります。
オンリー録りの流れ
1.セッション準備
初めにマスタートラック、時と場合によりますが、キャラクターの数、EDIT、サンプルボイスのオーディオトラックを準備します(リモートの場合は、AXUトラックが増える場合があります)。
必要な素材を並べた状態にして収録に進みます。
2.サンプルボイスを流す
収録が始まると、最初にディレクターの方から「サンプルボイスを聞かせて欲しい」と言われるので、再生をします。サンプルボイスを流す目的としては、役者とディレクターが演技感を確認し、スムーズに収録を進めるようにする為です。
3.テスト収録
サンプルボイスを流したら、数ワードほどテスト収録を行います。これは演技感の確認の他に、エンジニアがマイクへの声の当たり方や、役者の声の大きさなどを確認し、調整するためにも必要となってきます。
4.本番収録
テスト収録を終えると、本番収録に入ります。収録中はProTools上で、パンチインモードを使用して収録をしています。キャラクターの1トラックに、本線とリテイクをどんどん録っていきます。それと並行し、台本に本線とリテイクのクリップ番号、タイムを録る作業も行います。
5.プレイバック
プレイバックがない場合もありますが、ディレクターやエンジニアが、聞き直したい場所を再生していきます。ここで先ほど台本にメモをしたタイムが役に立ちます。また文章の途中で言い直しをした場合は、前後を組み合わせた状態に編集を行います。
6.リテイク
ディレクターが役者に「どこを録り直したいか」を説明するので、台本にリテイク箇所をメモしながら録音をしていきます。台本が変わる場合は、誰が見ても台本の切れ目がわかるように少し時間を開け、収録をしていきます。この時にロケーションを打ち、台本の見出しなどをつける作業を同時に行います。
ここまでが収録に関する一連の流れになり、作業4〜6の工程を繰り返していきます。
応用編
7.合わせ
オンリー録りには『合わせ』という作業が、ある場合があります。『合わせ』とは、他の役者が、事前に収録した声に合わせて、録音を行うという作業になります。合わせの録り方にはいくつか方法がありますが、最も一般的なものが、事前に録っておいた「せーの」の掛け声で音声に合わせて、役者に出てもらうというものになります。ずれている場合は、波形を合わせてプレイバックをしていきます。
最後に
ここまで『オンリー録り』について紹介をしてきましたが、あくまで一例で作品ごとに様々な収録手順があります。私はまだ新人で、毎日が試行錯誤の繰り返しですが、いち早く現場の仕事を完璧にこなせるように、努めております。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。何かお困りごとがございましたら、お気軽にMIT STUDIOにお問合せ・ご相談ください!