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  • 2022.09.16

収録内容の違いによる『CUEBOXの使い分け』について

プロレコーディングスタジオでは、必ずと言っていい程、見かけるCUEBOXですが、収録によって「どこからどの音を出すのか」は、実は用途が違います。今回はそんな「CUEBOXの使い分け」についてご紹介いたします。

MIT STUDIOの第3スタジオ・第5スタジオでは、ナレーションのみや、オンリーのゲーム収録には、カフに役者さん自身の声とその他映像に元々入っている2MIX音源などを一緒に返しています。一緒に音を返す性質上、役者自身の声だけを大きくしたいなどの調整は、役者さん自らは出来ないのですが、エンジニアに言っていただければ、すぐに音量調整いたします。

関連リンク:ナレーション収録時にマイクのON/OFFを切り替える『カフボックス』

こちらのCUEBOXには2MIXと1から5までの単独送りそして最後にMasterボリュームがあります。単独送りにはそれぞれ任意の音のみをそれぞれ送ることができます。

音楽レコーディングの場合

そしてCUEBOXを一番見かける機会が多いのは音楽レコーディングの現場です。

楽曲収録現場での一例

こちらは一例ですが、Vocal録音のときのCUEBOXです。基本的な2MIXはコントロールルームで流している音と同じものが流れます。それに加えて自身の歌っているボリュームを確認するために単独1番にボーカルを、仮歌がある場合には仮歌のみを3番に、ガイドメロディーを4番に、テンポキープのためのクリック音声を5番に返しています。この他にも音楽ではリズム録りや、ストリングス録音などがあり、奏者毎にどの音を聞きたいかが変わってくるので振り分けも様々です。

ナレーション収録の場合

そしてナレーション現場では音楽に比べると使用頻度は少なくなりますが、波形合わせといった現場ではこういった振り分けになります。

MA現場での一例

まず2MIXは下げておき、単独の組み合わせのみでバランスの調整を行います。1番は日本語、つまり自分の声の返しになります。2番は英語、波形合わせとは海外で収録した音声ファイルを元に合わせて収録する形なので、こちらには原音である英語が流れます。3番はトークバック、ディレクターの声等、コンロールルーム側との通信のためですね。4番は映像音声、映像尺になっているBGMやSE、英語音声などもMIXされた状態の音声がこちらから流れます。

この他にもアニメーション動画に合わせて録音する方法なら、他の役者の収録済み音声を単独で送ったり、前回収録したキャラクターの追加であればサンプル音声のみを単独で返したりもします。ただ単独で送れる数には限りがあるので、「この音声とこの音声は組み合わせて一緒に返します」などの場合もございます。

MIT STUDIOではアーティスト・役者の方々が、心地よく収録できる環境を日々整えて参ります。ぜひお問い合わせお待ちしております。

著者:安居翔貴(MAエンジニア)

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