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- 2022.02.17
プロ御用達音声修復ソフト『iZotope RX9』の機能紹介
2021年10月に、iZotopeからオーディオリペアソフトRXシリーズの最新版「RX9」がリリースされました。今回は最新「RX9」についてご紹介させていただきます。iZotope RXについては過去のブログで’も紹介していますので、ぜひそちらをご覧ください。
関連リンク:レコーディングスタジオ御用達音声修復ソフト~『iZotope RX8』新機能レポート
iZotope RX9について
RX9では従来機能の精度向上が図られています。
Dialogue Isolate
環境音(車の音や足音など)と人の声とを分離する機能です。外で録音したときに乗ってしまった環境音を除去するときなどに使用します。RX9になり、分離精度が向上していおり、従来よりもかなりクリアにダイヤログを抽出してくれます。
De-hum
こちらはハムノイズを除去するときに使用します。ハムノイズとは電源の周波数に応じた「ブーン」という音です。RX9になり、Dynamicモードが追加されました。Dynamicモードではノッチフィルターが最大1024まであり、オーディオのクオリティーを維持したまま処理することができます。
Ambience Match
素材から環境音などのアンビエンスを生成できます。RX9になり、Complexモードが追加されました。雨や風など動きが多い環境音を生成することが可能になり、より自然な雰囲気になりました。
このほかにも、作曲ソフトであるLogic ProはRX9を別ソフトとして立ち上げる必要がなくなったりと、便利になった機能があります。そして今回、私が一番ご紹介したい「Restore Selection」という新機能です。
Restore Selection(Advanced+Standard)
この機能は既に処理をしたオーディオでも、履歴リストをさかのぼり、選択した範囲だけを元に戻すことができます。従来なら全ての工程をさかのぼっていましたが、その必要がなくなりました。使い方は簡単で、まず直したい部分を選択します。
右下のHistoryの部分から元に戻したい履歴部分を選びます。今回は、Intial Stateに戻したいので、隣にある白い丸部分を押せば選択範囲のみが原音に戻ります。
このようにRestore:〇〇と出れば元に戻っています。
この機能を使えば、全体にDe-essやをかけた後、モジュールがかかり過ぎた部分だけを原音に戻すことができます。またRX9から、History Listが一度に30まで見られるようになったので「Restore Selection」と相性抜群です、
Restore Selectionにも注意点があります
しかしながら、この機能にも注意点がひとつだけあります。この機能は時間軸を元にオーディオ復元しています。オーディオの尺を変更した場合、原音のInitial Stateに戻ってしまうと、原音のその時間軸上にあった音を復元します。つまり全体にモジュールをかけてから尺変更をしてしまうと、時間軸が動いてしまった部分は、原音には戻れなくなるので注意が必要です。尺変更をしてから、モジュールを使うことをお勧めします。ご自身の望むオーディオの組み合わせができたりと、かなり便利な機能ですので、ぜひ使ってみてください。
関連サイト:公式サイト iZotope
RX9の新機能について、簡単にですがご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。今後もしRX10になったら、どのような進化があるのか、とても楽しみです。RX10がリリースされた際にも、紹介ブログを書きたいと思っているので、よろしくお願いします。収録した音声にノイズが乗ってしまったなど、サウンド関連でお困りのことが御座いましたら、どうぞお気軽にお問合せください。
著者:エディター