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  • 機材紹介
  • 2020.09.25

レコーディングスタジオ御用達音声修復ソフト~『iZotope RX8』新機能レポート

2020年9月、プロレコーディングスタジオ御用達のメーカー「iZotope」から音声修復ソフトRXシリーズの最新版「RX8」がリリースされたので新機能を試してみました。

業界標準 iZotope RXとは

iZotope RXは業界標準とも言える音声修復ソフトでリップノイズの除去や音割れの修復のほか、ミックスバランスの再調整などの機能もありポストプロダクションは勿論、音楽制作の現場でも活躍するソフトです。最新版が更新される度に新機能の追加や利便性の向上が見られることも業界標準となった理由の一つでしょう。

関連サイト:公式ホームページ iZotope RX8

RXは使用できるノイズ除去ツールの多さによって3種類に分かれており機能が限定されている「Elements」「Standard」と全ての機能を使用することができる「Advanced」から用途に合わせて購入することができます。今回リリースされたRX8でも先進的な機能が追加されたのでご紹介致します。

①Guitar De-noise(Standard / Advancedに搭載)

ギターの演奏で発生するノイズに特化したツールです。

  • Amp

  「ブーン」や「ジー」といった連続的なノイズの除去

  • Squeak

  指が弦に触れながら移動する際の「キュッ」といったノイズの除去

  • Pick

  弦を弾く際の強すぎるアタックの軽減

■サンプル Before

■サンプル After

従来のバージョンであればDe-humやDe-clickといった個別のツールでの処理が必要でしたが、それらの必要な機能が一つにまとまっており扱い易くなっています。サンプルではファイル全体を選択して処理していますがコードチェンジの「キュッ」のみを自動的に捉えて軽減してくれています。

必要な設定もシンプルでSensitivityでノイズに対する感度を、ResolutionまたはReductionで除去効果の強さを決めるといった感覚的な操作が可能です。AdvancedではDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)上で使用する単独のプラグインとしても使えますがStandardではアプリケーションとしての使用のみとなりDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)上のプロジェクトとは連携が必要になりますので注意が必要です。

②Spectral Recovery(Advancedのみ搭載)

WAVからMP3への変換などデータ圧縮の際に損なわれた高周波成分を生成するツールです。

SpectralRecovery
  • Amount

  生成する音の量

  • Vowel/sibilant Balance

  生成された音の母音と視察音のバランス

  • Cutoff

  設定した周波数より高域を生成

  • Smoothing

  元素材と生成された音の混ざり具合

■サンプル Before

SpectralRecovery_before

■サンプル After

SpectralRecovery_after

MP3形式などの非可逆圧縮やストリーミング通信では主に聴感上で優先度の低い高周波成分が削られてしまいますがSpectral Recoveryでは損なわれたデータを高精度で生成し補うことができます。Spectral Patchingにチェックを入れてレンダリングするとCutoffで設定した周波数より下の帯域で欠損しているデータの補間も行います。

③Wow & Flutter(Advancedのみ搭載)

音声の記録媒体であるレコードやテープの経年劣化などで生じる音程の揺れを補正するツールです。

Wow&Flutter

Wow rate

  • Fast(2~8Hz)
  • Medium(0.5~2Hz)
  • Slow(0~0.5Hz)

揺れの速さによってWow rateをFast / Medium / Slowから選択します。揺れの速さが8Hzよりも速い場合はFlutterに切り替えて使用します。

④Loudness Control(Standard / Advancedに搭載)

放送/配信向けにラウドネスの測定、調整を行うツールです。

LoudnessControl
  • True peak

  トゥルーピークの上限値

  • Integrated

  平均ラウドネス値(LKFS)

  • Short-term/Momentary

  ショートターム/モーメンタリーの上限値

  • Tolerance

  ターゲットからのズレの許容値

使い方はシンプルで、選択範囲の測定値が即座にMeasurementの下に表示されるようになっておりRenderをすればTargetで指定されている値に応じてラウドネス値が調整されます。プリセットには日本国内の放送業界の基準となるARIB TR-B32も入っており安心です。RX8では以上4つの機能が新たに搭載されました。

そのほか従来の機能もパフォーマンスの向上が図られており、ミックスバランスを再調整するMusic Rebalanceやガヤガヤした背景音を取り除くDialogue Isolateなど興味深い機能が盛り沢山なのは、またの機会にご紹介したいと思います!

ノイズが乗ってしまったけど再収録が難しいなど、音声でお困りのことが御座いましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

著者:角田真悟(エディター)

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