TOP > TOPICS(更新記事一覧) > STUDIO > iPadを使用した台本管理~使用アプリ・社内共有方法・MAエンジニア目線でのメリット・デメリットなど
  • STUDIO
  • 2021.10.13

iPadを使用した台本管理~使用アプリ・社内共有方法・MAエンジニア目線でのメリット・デメリットなど

MIT STUDIOは2021年5月から台本のペーパーレス化に伴い、iPadを使用した台本の管理を行っております。今回は、iPadを利用した台本管理・社内での共有の仕方と、MAエンジニア目線で見たメリットやデメリットなどをご紹介致します。

関連リンク:台本のペーパーレス化~メリット・デメリットをエディター目線でご紹介

iPadのアプリ「Notes Writer Pro」を台本として使用

まずは、MIT STUDIOのMAエンジニアが、収録時に使用しているアプリをご紹介致します。PDF上に文字を書いたり、テキストを貼り付けることができ、ブックマークも挿入できる「Notes Writer Pro」という手書きノートアプリです。

これまでは紙台本を作品ごとに一箇所に集めて保管していたため、スペース的にも台本管理的にも不便と感じることがよくありました。しかしPDFになった今では、台本の共有だけではなく、過去台本をすぐに探し出せたり、Pro Toolsのバックアップデータと同じフォルダ内に収録台本を入れられるという点などで、かなり台本管理が楽になりました。

また弊社のMAエンジニアは、収録キャラクター以外のキャラクターの台詞が同じページに沢山あるような通し台本の場合、事前に収録キャラにのみマーカーを引いて、収録中に台詞を追いやすいように工夫しています。担当エンジニアが別の作業などでマーカーを引く時間が取れない時、手が空いている他のスタッフで協力してマーカーを引き、収録前に共有するということも、iPadのおかげで楽に行えるようになりました。

社内での共有は「DROPBOX」を使用

MIT STUDIOでは、データの共有を主にDropboxで行っています。MA・音楽・エディターと大まかにフォルダ分けをし、台本共有フォルダを収録する作品ごとに作成しています。お客様に事前にいただいたPDF台本を営業が該当フォルダにアップロードし、担当エンジニアがiPadにダウンロードします。収録時はPDF台本に直接テイクやタイムを書き込んでいき、収録後はテイクを書き込み終わった状態でエディターに共有します。

エディターはノイズカット後、エンジニアから受け取った台本を見ながら音声チェックをし、差異などがあればエンジニアに都度確認します。この時、収録台本をデータで共有しているので、担当エンジニア以外のエンジニアでも対応にあたることが出来るという点がとても便利なったと感じます。

MAエンジニア目線で見たアプリ使用のメリット

まずは大量の収録台本を収録キャラごとに用意し、録る順番に並び替えるなどといった、収録前の作業が減ったことが大きなメリットです。上記で書いた通し台本のマーカー引きも、アプリ内の文字検索機能のおかげで楽になりました。

また、収録中は、役者さんの声に被らないように、音を気にしながらページを捲らなくて済むようになった事や、メモを残したいと思ったページ全てに貼っていた付箋が、アプリ内のブックマーク機能のおかげで必要が無くなったという点も大きなメリットです。ペンの色や種類をすぐに変えたり、ペンと消しゴムを切り替えられるのも、紙台本での収録と比べるとかなり楽で助かっています。

MAエンジニア目線で見たアプリ使用のデメリット

デメリットは、収録キャラクターが出ていないページを省いた、通称『抜き台本』の作成が大変だという点です。紙台本で抜き台本を作る時は、出ていないページを横に避けていけば良いだけですが、アプリ上で該当ページを消したい場合、ページ選択画面に行き、そのページを選択して消去する必要があります。また、もし間違えて出ているページを消去してしまった場合、元のPDF台本からそのページを抜き出してコピーし、元の位置にペーストするのが、意外と時間がかかって大変だったりします。

もう1つは、現場での追加台本などに、瞬時に対応が出来ないことです。もし現場で追加のPDF台本がご用意出来ない場合でも、追加台本のみ電子ではなく紙台本で対応し、収録後にスキャンしてPDFにするという方法でも対応出来ますのでご安心ください。

iPad導入から半年程経ちますが、私が感じるデメリットは上記の2点だけで、作業的にはメリットの方が多いと感じています。印刷代等の削減や台本の受け渡しなどを考えると、電子台本の方が便利だと感じる方も多いのではないかと思います。

MIT STUDIOでは、事前にPDFで台本データをいただければ、問題無く収録出来ますので、ペーパーレス化をお考えの方はぜひお試しくださいませ。お問い合わせお待ちしております。

著者:山下華鈴(MAエンジニア)

TOPICS一覧に戻る

topへ戻る