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- 2021.03.04
アーティストのレコーディングに参加~事前準備『セッティングリスト』について
今回は、先日エンジニアとしてお仕事をさせていただいた某アーティストのレコーディングについてお話しさせていただきます。本当はそれっぽく慣れた感じで現場に臨みたいのですが、まだレコーディングエンジニアとして若手なので、当日はめちゃくちゃ緊張しておりました…。そんな緊張感も楽しくお伝えできたらと思います。
音楽レコーディング~セッティングリスト
まずはレコーディング現場のお話の前に、セッティングリストというものについてお話ししていこうと思います。セッティングリストというのは、リズム録りやオケ録りにおいてレコーディングエンジニアがその日のアシスタントエンジニアに立てるマイクや使う機材を伝えるシートになります。
形は様々で、表になっているパターンやメールの本文に書いて送られてくるパターン、あるいは電話で口頭で教えてもらうパターンなどがあります。今回私が、当日のアシスタントに送ったものがこちらです。
セッティングリスト
このフォーマットは、MIT STUDIOによく来てくださるエンジニアさんのものを参考にさせてもらいました。場所はMIT STUDIOだったため、マイクなどは全てMIT STUDIOのものを使用しています。この日は最初に3リズム(ドラム、ベース、エレキギター)を録って、そのあとアコースティックギターのダビングをするという流れでした。せっかくなので、内容についても軽くご説明していきます。
一番左に書いてあるのが楽器の内容です。ドラムは一つ一つにマイクを立てたりするので、それぞれ立てるものを書いてあります。“Top”と”Room”のところに書いてある[H→F]というのはドラムのパン[LR]をどのようにするかを決めています。”H”はハット、”F”はフロアタムということです。この場合ハット側にあるものがL、フロアタム側にあるものがRという風にパンニングをしていきます。これをあらかじめ決めておくと、コンソールに立ち上がった時に見やすく、作業がしやすくなります。一番右のReturnというところには、外部の機材などを通った後どのようにコンソールへリターンするかの指定になります。
“卓 Line”と”卓 Mic”というのは卓のヘッドアンプでどちらにリターンするかを書いています。“Ins Ret”はコンソールのインサートリターンにリターンするということになります。もちろんコンソールを通さずPro Toolsに直接パッチする時もあります。そのときは”PT in”などと書きますね。(持)と書いてあるのは、持ち込む機材です。このPortico5012は私物になります。セッティングリストの内容説明はこのくらいにしておきます。
軽くといっておきながら長々書いてしまいましたので、音楽レコーディングの詳細は次回書きたいと思います!乞うご期待下さい!
著者:MIT STUDIO(音楽エンジニア)