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  • 2020.07.21

セリフ・ナレーションなどの残響~収録環境や残響除去について

アニメなどを視聴していて同じキャラクターなのに場面によって声の響き方が異なっていることに気がついたことはありませんか?

日常的な会話シーンではクリアで聴き取り易いのに対し、特殊なシチュエーション(洞窟などの広い空間)では意図的に残響を足して声を響かせ空間を演出することがあります。逆に言えば開放的な屋外でのセリフなのに屋内の様な残響が聴こえることは好ましい事例ではありません。

つまり音響制作の現場では、残響が無くクリアで聴き取り易い声を基本としていて、残響が必要だなと感じた場面では、収録した音声に後からエフェクト処理を施して残響を足しています。

残響とは

そもそも残響とは何かと言うと音の反射の重なりのことを言います。

台本を読み上げた声はまずマイクに届きますが、ブース内に散らばった音波は壁や天井や床などから跳ね返り時間差で重なりながらマイクに届き残響成分として収録されます。残響成分を感じさせない音声はすぐ目の前で人が発している声の様に聴こえ明瞭感がありますが、残響成分を多く含んでいる音声では人の脳に空間を認識させてしまうため「音が遠く感じる」「音が引っ込んで聴こえる」と言った印象を持たれてしまいます。

収録環境による残響の差

セリフやナレーションを収録するレコーディングスタジオが屋内という環境である以上、音声収録と残響は切って離せません。

ですがどのスタジオで収録しても違いが無いというわけではなく、一般的にナレーションを収録する部屋(=ナレーションブース)は壁や扉の材質から吟味し残響を最小限に抑える設計になっています。弊社STUDIO 3、STUDIO 5のブースも声の収録をメインとしているので、この様に残響を抑えて収録できる造りになっております。

第3スタジオブース

一方、音楽制作の現場でも後から残響を足すことは一般的ですが、音の広がりを活かせる天井高のスタジオや収容人数が多いスタジオでは空間が広くなるため、より響きやすい環境と言えます。楽器のレコーディングでは空気感を収録する目的のマイク(=アンビエンスマイク)を使用することなどからも残響に対する捉え方が異なります。

第1スタジオメインブース

残響の除去

収録した音声データから残響成分を特定することで不要な残響を小さくすることが可能ですが、残響成分は音の重なりなので大雑把に処理してしまうと、除去したくない原音部分にも処理が及んでしまい明瞭感が損なわれます。原因がはっきりとしている割に後で対処することが難しいので、可能な限り響かない環境づくりが大切です。

今回は収録物の残響について説明いたしました。残響の扱いは難しいものです。収録後に「ああしたい、こうしたい」など思ってしまうこともあるかもしれません。音声編集については弊社外で収録された音声にも対応しておりますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

著者:角田 真悟(エディター)

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