- MIT CREATIVE
- 2020.05.04
ドラマCDの効果音制作・選曲の流れ~想像し創造する
MIT CREATIVEではドラマCDへの効果音制作、選曲も行っております。
皆さんはドラマCDをご存知でしょうか?
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、音(音声、BGM、SE)のみの構成でCDになっている作品です。シチュエーションCDもこのドラマCDに含まれます。
ドラマCDの選曲・効果音制作の流れ
■まずは台本チェック
頂いた台本を読んで世界観をチェックします。ファンタジー、学園モノ、謎解き推理、ホラー系、コメディなど様々ありますので効果音制作に対して分からないことがあればメモしておきます。
■打合せ
次にディレクター(音響監督)の方との打合わせを行います。
ここで相手の意図している世界観を聞き、どのような進め方をしていくかなど決めます。台本を読んでいてメモを取っている箇所があれば、質問して理解を深めます。
選曲に関しては、こちらでいくつか曲を出してディレクターに決めてもらったり、こちらですべて付けてMIX(ミキシング)時に決めてもらうなど、いくつか進行パターンがあるので打合わせでどう作業を進めるかも確認します。
■音声録り、素材出し
打合せが終わると音声録り→MIX(ミキシング)の順に行うのでMIX(ミキシング)までに効果音、選曲の素材だしを行います。
■MIX(ミキシング)
音声、選曲、効果音すべての素材が揃いました。効果音、選曲の微調整もこちらで行い完成。
以上がドラマCDの流れになります。
映像がない作品への効果音・BGM付け
さて効果音作成の素材出しですが、ドラマCDの場合は映像がありません。映像があるものに対しては以前の記事をご参考ください。
関連リンク:実写映像に付ける効果音~音の差し替えや演出方法について
映像からはヒントといえる音があるのですが、ドラマCDの場合はありません。打合せの際に説明やこちらから聞いて大まかなイメージはできると思います。台本にどういう場所なのか、どの季節なのか、時間は朝、昼、夜など事細かに書いてある場合はいいのですが、ないときはこちらで想像するしかないのです。ただこれが一番自由なところで、この「想像し創造する」のが楽しい作業でもあります。
また映像がある作品の場合には尺が決まっています。例えば環境音、以前の記事で実写映像に効果音を付けた映像では雨が降っていて、車、バイクが通過していました。
映像には車やバイクが通過してるところに効果音を入れています。
この時間から車の音が入ってきて、離れる音はこのタイミングで消えていく・・・というように音の時間軸が決まっています。しかしドラマCDの場合は映像がないので、こんな感じにすることも出来ます。
【効果音1】車道にフォーカスせず、人混みが多い夜の街のイメージ
雨、車、バイクの通過音はレベルを下げて人のざわめきを少し大きめにしてます。
【効果音2】人が少ない静かな夜の住宅街のイメージ
人のざわめきはなくして、雨音を少し大きく、犬の鳴き声を入れてます。
そして環境音を聞かせる時間も演出によっては長く聞かせたり、すぐセリフに入ったりと、こちらで決めて配置していくことができます。(最終的に決定するのは音響監督)
試聴者の想像力を膨らませるドラマCD
環境音1つに対して色々創造できるのがドラマCDの魅力です。
BGMも日常のBGM、心情としてのBGM、セリフを際立たせるために無音にするなど演出方法はアニメやドラマと同じ考えですが、尺の使い方は自由に変えられる分、表現の仕方は多くあります。
また映像を気にせず尺が自由に使える分、役者さんの演技、台詞回しや間のとり方など、演者さんの魅力がより引き出されるのもドラマCDの魅力です。
今回はドラマCDの効果音、選曲についてご紹介いたしました。
これ以外にもCM、ゲーム、VP(ビデオパッケージ)など、効果音制や選曲でお困りでしたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
著者:廣澤拓郎(サウンドクリエイター)