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- 2020.05.02
NEVE Electronics社製マイクプリアンプのご紹介

音をマイクで収録する際、必ず必要となってくるマイクプリアンプ。さまざまな種類の物がある中でも、今回は何十年も世界中で使われ続けている『NEVE Electronics社のマイクプリアンプ』についてご紹介いたします。
マイクプリアンプとは?
元々はミキシングコンソールに備え付けられ、HA(ヘッドアンプ)とも呼ばれています。代表的なものにSSLやApi、そして今回ご紹介するNeveがあり、今ではマイクプリアンプ単体で見られることが多いですが、これもミキシングコンソールからHA部分を抜き出した機材になります。
音を出す機械の出力レベルには、マイクレベルとラインレベル(シンセサイザーや電子ピアノなどに使用)の2種類があり、マイクレベルはラインレベルに比べてとても小さい出力になります。このとても小さいマイクレベルを一定の大きさまで増幅させる機械を、マイクプリアンプといいます。
マイクプリアンプは現在技術が発展し、入力された音に影響をほぼ与えないまま増幅することができる物が多くリリースされているのですが、Neveの中でも特に有名なHA『Neve 1073』を搭載したミキシングコンソールが設計されたのが1970年代です。なぜ、そんな大昔の機械が未だに良いとされているのでしょうか。
歪みによる変化
マイクプリアンプなど増幅を行う機械は音が入力されて出力されるまでに様々な電子部品を通過します。この過程は入力された音を変化させます。これが歪みです。そしてこの歪みがマイクプリアンプの個性になります。Neveはよく音が太くなると言われますが、これも歪みによってもたらされます。
Neveの特色
Neveと言ってもOldの物から製造が停止したOldのものに似せたコピー品など様々な物があり、それぞれ名前はNeveでも違った個性を持ち、それらのHAを通って出力される音もまた違ってきます。
Neve 1073

やはりNeveといえばこれ『Neve 1073』ではないでしょうか。音を真似して作られたプラグインやコピー品も、Neveの中で1番多く作られています。
Neve 1066

『Neve 1066』は『Neve 1073』と同じくらい有名で、基本的な回路は同じですが『Neve 1073』とはEQの周波数が違います。『Neve 1073』より前に製造されており、とても希少価値の高い物になっています。
Neve系マイクプリアンプ
本物のNeveの音は本物でなければ出せません。本物は非常に希少なため、1chだけで7桁万円程します。とても高価です。しかしNeveの創設者、Rupert Neve氏が監修している『AMS Neve』やこの他にも、各社Neveを模倣したプリアンプが製造されています。本物と全く同じではなくそれぞれに違った解釈を持っています。Neve模倣のプリアンプをいくつかご紹介します。
AMS Neve 1073 DPD
先述の通り、創設者Rupert Neve氏が監修をしているマイクプリアンプになります。本物とは全く違う音ですが、こちらも創設者が監修しているだけあり本物とはまた違った素晴らしい音になっています。
関連リンク:NEVE 1073DPD
AURORA AUDIO GTQC
このマイクプリアンプ、なんと初期の1073の開発の際にエンジニアとして関わっていたGeoff Tanner氏が設計を行なっています。評判もとてもよく、本物に1番近いのはこのマイクプリアンプと言われています。
関連リンク:AURORA AUDIO GTQC

Neveのマイクプリアンプは長年愛され続け、数えきれないほどの楽曲に使用されてきました。しかし一概にNeveが絶対ということもありませんので、印象にとらわれず様々な音色の機材を使いベストな音にすることが1番ですが、それでも筆者はNeveが1番好きです。
弊社スタジオにもNeveのマイクプリアンプをご準備しています。是非、ご利用下さい。お問い合わせお待ちしております。
著者:(音楽エンジニア)