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- 2026.04.23
声優・ナレーターのボイスサンプルのMIX作業〜準備から書き出しまでの流れ
4月を迎え、新生活がスタートしたという方も多いのではないでしょうか。新しい環境に身を置きながら、目標に向かって一歩を踏み出している方もいらっしゃることと思います。
そうした節目のタイミングで、ボイスサンプルを新しく見直したり、収録し直したりする方も増えてくる時期です。 自分の現在の実力や魅力をしっかりと伝えるためにも、今のご自身に合ったボイスサンプルを用意することはとても重要です。今回は収録後、MIX作業でどんな事を行なっているのかご紹介いたします。
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MIX前の準備

収録後は、すぐにMIX作業に入るのではなく、まず事前準備を丁寧に行います。この工程をしっかり行うことで、その後のMIX作業の効率や仕上がりのクオリティが大きく変わってきます。
収録時にはすべてのOKテイクを音楽の上に配置しています。まずはその状態から、各セリフを確認しながら不要な部分を整理していきます。具体的には、セリフ間にある不要な息や環境ノイズなどを手作業やRXを使用しカットしていきます。
手作業で行える作業
セリフの合間にあるノイズについては、フェード処理を使って自然に処理していきます。こうした細かなノイズを事前に取り除いておくことで、後工程での処理がスムーズになり、よりクリアな音声に仕上げることができます。
RXを使用する作業
セリフと重なってしまっているノイズに関しては、単純なカットでは対応できないため、RXなどのノイズ除去ツールを使用し、音声の質感を損なわないよう注意しながら丁寧に処理を行います。
関連リンク:レコーディングスタジオ御用達音声修復ソフト~音響効果・効果音でのRXの使用方法
また、収録中に「たたき(仮音源)」を使用している場合は、MIX前の段階で該当箇所にその音楽をあらかじめ配置しておきます。 この準備をしておくことで、MIX時に音量のバランス調整や楽曲の長さの調整をスムーズに行うことができ、全体の流れを確認しながら作業を進めやすくなります。このようにMIX前の準備は単なる下処理ではなく、最終的なクオリティを左右する非常に重要な工程となります。
MIX作業

まず初めに、その日収録した音声の中から最もコンディションの良いテイクを選定し、ループ再生をしながら主にEQで不要ば低域をカットし、声の明瞭化します。続いてコンプレッサーを用い、ダイナミックレンジを適正にコントロールすることで、BGMに埋もれない芯のある声を作ります。
全体のバランスを整えた後は、ストレスを与えない最適な聴感バランスを追求します。全てのバランスが決まりましたらMIXトラックへレコーディングを行います。
すべての書き出しが完了したら、画像にあるMIXトラックに対して前後のフェード処理を施し、不要なノイズや余韻の不自然さを取り除きます。 これにより、開始・終了部分も含めて自然で聴きやすい音声になります。
最後にリミッターをかけ、全体の音圧を適切にコントロールします。Web上にアップロードした際にも、過度に音量が上がったり割れてしまったりすることがないよう、安定した音量感で再生されるように仕上げていきます。
書き出しについて
書き出し方法は、事前に先方様の指定によって異なりますが、よくある形式としては以下の通りです。
- 1本にまとめて書き出す~全編を通した完成パッケージ
- パラデータで書き出す~台本毎に振り分けたデータ
またファイル形式は、WAVやMP3が一般的で、用途に応じて適切な形式で納品いたします。いかがでしたでしょうか? 今回はボイスサンプルのMIXについてご説明させていただきました。ボイスサンプルを始めて収録したい方や、新しく収録しなおしたい方など、何かご不明点やご質問がある方など、お気軽にご相談ください。
著者:鈴木 瑞(MAエンジニア)