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  • MIT Artists
  • 2026.03.09

新人声優が知っておきたい現場あるある~レコーディングスタジオ収録のポイント3選

ナレーションやアフレコの収録現場は、外から見るととても静かで落ち着いた空間に見えるかもしれません。しかし実際のレコーディングスタジオでは、ナレーターや声優、ディレクター、クライアント、エンジニアなど、さまざまな人が関わりながら一つの音声を作り上げています。

新人声優さんが知っておくと安心なポイント

私自身、制作やマネージャーとして MIT STUDIO や他のスタジオでのレコーディングに立ち会う中で、「これは新人声優さんが知っておくと安心かもしれない」と感じる瞬間がよくあります。今回は収録現場でよくあることと、収録中に知っておくと役立つポイントをいくつかご紹介します。

①原稿は「その場で変わる」こともある

収録では、直前や収録中に原稿が修正されることがあります。これは誤字脱字の訂正という意味ではなく、言い回しを少し変えたり、情報を追加したりと、より良い内容にするための調整です。特にラジオCMでは秒数制限があるため、尺に収めるために文言を削ることは多々あります。

録音現場ではディレクションの方向が少し変わることもあるため、声優やナレーターの方には「その場で読み方を整理する力」も求められることがあります。事前に原稿をしっかり読み込んでおくことはもちろんですが、多少の変更があっても落ち着いて対応できると、収録はとてもスムーズに進みます。

②マイクは想像以上に音を拾う

収録現場でよくあるのが、テイク自体はとても良かったのに、別の音が入ってしまうケースです。例えば、紙をめくる音や衣擦れ、アクセサリー、椅子の小さなきしみなどです。

普段は気にならないような音でも、レコーディングスタジオのマイクはしっかり拾ってしまいます。その場合は「ノイズが乗ったのでもう一度お願いします」と、リテイクになることもあります。

MIT STUDIOのようなプロユースのレコーディングスタジオでは、繊細な声のニュアンスまできれいに録れる一方で、小さな物音も拾いやすくなります。ブースに入ったら、原稿をめくるタイミングや、体の動きに少し気を配るだけでも、収録はかなりスムーズになります。

③リテイクの作法

ゲームボイスの収録では、1回のキューランプで複数のセリフをまとめて収録することがほとんどです。エンジニアはこれから録るセリフが叫びなのか、囁きなのか台本で見極めながらフェーダー操作して待ち構えます。

例として、叫びのセリフの後に静かなセリフが続くとします。声優が内心で「今の叫びのセリフは声がかすれちゃったからもう一回言おう」と思い、叫びのセリフを2回続けて読んだとします。エンジニアは次の静かなセリフに向けて大きな音で拾えるよう待ち構えています。そこに想定外の叫びが飛んでくるので、当然のように音割れします。リテイクが発生します。

「もう一回行きます」と一声かけてから読み直すだけで、エンジニアは準備ができます。実は第一線で活躍している方でも、意外と忘れてしまうことがあります。新人の方はぜひ覚えておいてください。

ちなみに、途中で噛んでしまい読み直す場合は、特に声をかけなくても大丈夫です。最後まで読んだ場合に限り、「もう一度読むのか」、「次に進むのか」が分からなくなるため、エンジニア側の判断が迷ってしまうのです。

事前の準備と少しの気配りが大切

収録現場には独特の緊張感がありますが、それは全員が「より良いテイク」を目指しているからこそ、生まれるものでもあります。MIT STUDIOのレコーディングスタジオでも、ナレーターや声優、ディレクター、エンジニアが協力しながら一つひとつのテイクを丁寧に作り上げています。

事前の準備と、少しの気配り。それだけでも現場での印象や収録の進み方は大きく変わります。これから収録に参加する方や、声優を目指している方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

著者:齋藤 亮(制作)

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