- STUDIO
- 2025.11.11
最高の歌を引き出すために~MIT STUDIOの歌録り研修
こんにちは!MIT STUDIOの安田です。2025年春に入社し、あっという間に半年が経ちました。まだまだ学ぶことばかりの日々ですが、少しずつできることが増え、充実した毎日を過ごしています。日々の業務や研修の中で、現場のスピード感や空気感を体感する機会も多く、緊張感の中にもやりがいを感じています。
今回は、実際の現場を想定した「歌録り研修」についてご紹介します。MIT STUDIOは、歌録りのレコーディングが多く、そのため歌い手の方が気持ちよく、最高のテイクを残すための環境づくりが何よりも重要です。そのために、いくつかの重要な準備工程があります。
現場を想定した「歌録り研修」の取り組み
1. 歌詞・譜面の準備(印刷)
一見地味な作業ですが、これも大事な準備の一つです。アーティストやプロデューサー、エンジニアなど、その場にいる全員がスムーズに現場を進行し、コミュニケーションが取れるよう、歌詞と譜面を準備します。
特に、ヴォーカリストさんが歌いやすいように、大きなサイズで印刷し歌詞が読みやすくします。また、ディレクターさんが思う良かったテイク数などをメモするため、書き込める余白をしっかりと取るような配慮も欠かせません。こうした小さな気遣いが、スムーズなレコーディングに繋がっていくのを日々実感しています。
2. ブース内のセッティング〜回線チェック
レコーディング前にスタジオ内の清掃を欠かさず行った後、使用するマイクをブース内にセッティングしマイクポケットに繋げます。アーティストさんがご到着されて、マイキング・高さを調整後すぐに録り始められるように、事前に譜面台などの準備もしておきます。
また、コンソールのパッチを行いマイクからの信号が正しく来ているか、ノイズは乗っていないかなど含め、回線チェックを行います。実際の現場と同様に持ち回り機材にパッチするのはもちろん、キューボックスにヴォーカルの単独やガイドメロ、クリックなどが正しく送られているか、一つずつ丁寧にチェックしていきます。

3. レコーディング中
歌録り研修では一年目の私が、実際の現場同様にアシスタントとしてProToolsを操作し、エンジニアさんやディレクターさん演者さん方々の、話している内容を汲みながら、現場を円滑に回していきます。1A、1B、1C・・・などパートごとに分ける方法や、1番、2番、ラスサビをまるっと録る方法など研修ごとに進行方法は異なるため、それらに準じてスピーディー且つ、丁寧なオペレートができるよう心がけています。
実際の現場を想定してアシスタントとして現場を回してみると、次の進行の事を考えすぎるあまりディレクターさんや演者さんの話を聞き逃してしまったり、ProToolsの操作ミスによりお客様をお待たせしてしまうなど、先輩のオペレートを現場で見ていた時に想定していなかった事が多くある事に気付かされます。現場経験が浅い私にとって、毎回その日の反省点がはっきりし、次回の研修時からどの点に気をつけるべきか整理できる有意義な機会となっています。
入社から半年が経ちましたが、先輩方から学ぶ「現場中の細かい部分まで見渡す気配り」を忘れず、アシスタントとして任せていただけるよう、これからもオペレートの技術を磨いていきます!
移転前から利用して下さったお客様や、新規のお客様とお会いできることを、スタッフ一同楽しみにしております。ぜひお気軽にご相談・お問合せください!
著者:安田昂世(音楽エンジニア)