- MIT CREATIVE
- 2025.07.14
【Pro Tools Tips】バージョン2025.6~6つの新機能&意外と嬉しい強化点をご紹介
MIT CREATIVEではテレビCM、ラジオCM、企業VP(ビデオパッケージ)、ゲームやYouTubeで使われる楽曲制作や、選曲、効果音制作など、音に関わる様々な業務を幅広く行っております。
MIT STUDIOは全スタジオのDAWがPro Toolsを使用しており、2025年7月現在、Pro Tools 2025.6が最新バージョンですが、各スタジオのバージョンは各スタジオページにてご確認ください。
Pro Tools新機能紹介(バージョン2025.6)
今回、最新バージョン2025.6の新機能をまとめてみましたので、ご紹介いたします。
1.Splice 連携(統合)機能
Pro Tools 上で、直接 Splice(サンプル配信サービス)の音源を、検索・試聴・読み込みできるようになりました。
- Splice アカウントと連携すれば、Pro Tools 内でブラウズ可能
- サンプルをタイムラインへ直接ドラッグ&ドロップ可能
- 一度読み込んだサンプルはローカル保存され、オフラインでも使用可能
ブラウザや外部アプリを開く必要がなく、サンプル選びからトラック制作までが一元化されたので、使い勝手が格段にあがりそうです。
2. AI搭載 Speech-to-Text(音声→文字起こし)
音声や会話の内容を、自動でテキストに変換する機能です。AIが話し声を聞き取り、字幕のようにテキスト表示してくれます。
- Pro Tools Studio / Ultimateで利用可能(Introでは不可)
- 文字起こし結果は「Transcript(トランスクリプト)」ビューで確認
- テキスト検索や自動的な音声クリップの分割・編集が可能
ポッドキャスト編集、インタビュー収録、ナレーション収録などで、音声の内容を視覚的に把握・管理しやすくなります。まだ使ったことがないので使用感、正確性などは、今後ご紹介いたします。
3. ARAプラグイン対応拡張
ARA(Audio Random Access)プラグインとの連携が、強化されました。
- 「Dreamtonics Synthesizer V Studio(歌声合成)」に対応
- 「Waves Clarity Vx DeReverb」「Waves Vocal Bender」などのARA対応プラグインを、Pro Tools内でシームレスに利用可能
Synthesizer V Studioとの連携がかなり気になるところです。
4. ADR(アフレコ)とリコンフォーム機能の強化
映画やTVの音声収録・再編集の現場で必要な、プロ向けのADR(アフレコ録音)や、リコンフォーム(映像変更に伴う音の自動修正)作業を支援する機能です。
- The Cargo Cultの「Matchbox 2.0」などとPro Toolsが直接連携
- 映像編集後の変更点をPro Toolsが検出し、音の編集箇所を自動で再配置
ポストプロダクション現場でのアフレコ・調整作業や、仕込みの時間を効率よくできるのではないでしょうか。こちらも期待大です。
5. MIDI編集の機能拡張
ピアノロール(MIDIエディタ)の操作性が改善され、作曲・打ち込み作業がより直感的になりました。
- MIDIノートに音名ラベルが表示され、視認性アップ
- 新たに「MIDI操作タブ」が追加され、コピー/ペースト/クオンタイズ/トランスポーズなどをまとめて制御
- ライブ入力モードやモニター切替も強化
視覚的にわかりやすくなっただけでなく、複数のMIDI操作を一括で実行できるため、制作のスピードが向上できるのではないかと思います。
6. Apple Silicon対応のVideo Engine
Pro Toolsの映像処理エンジン(Avid Video Engine)が、Apple Silicon(M1/M2/M3)Macでネイティブ動作するようになりました。
- 旧Rosetta経由での動作ではなく、Appleチップに最適化された高速な処理が可能に
- 映像再生の安定性とレスポンスが向上
ポストプロダクション業務など、映像との同期が重要な作業において、Mac上での快適な動作が期待できます。
7. その他の強化点
- 新しいダッシュボード(スタート画面):セッション作成やテンプレート選択がよりスムーズに
- ADM書き出しの最適化:Dolby Atmos用のファイル書き出し時、チャンネル順やメタデータ構成が自動で正しく
- ミュートロック(Mute Lock):重要なトラックのミュート状態をロックして、不意なミュート/アンミュートを防止
- Playlist機能の改善:編集用の複数プレイリストの管理性が向上。クリップ管理がより柔軟に。複雑なテイク管理や比較がしやすくなる
その他の強化点が、意外とうれしかったりします。ミュートロックや、Playlist機能の改善あたりは、現場で作業している方には、かなりありがたい機能なのではないかと思います。Pro Tools 2025.6 は、音楽制作・音声編集・映像制作すべての分野でワークフローがさらに進化したメジャーアップデートでした。今回も多くの機能追加や、改善点がありましたので、個人的もバージョンアップを進めたいと考えております。
MIT CREATIVEでは、作曲・編曲、効果音制作、レコーディング、mix、キャスティングなど、一連の行程を、まとめて1度に行うことが可能です。テレビ/ラジオCMの音楽や、ゲーム音楽、YouTubeのオリジナル楽曲やBGM、タイトルで使用するジングル、サウントロゴ、効果音など幅広く承っていますので、音でお困りの方はぜひお気軽にご相談・お問合せ下さい。