- STUDIO
- 2025.01.17
【2024/11/1改訂】ラジオCM素材の搬入基準について~MAエンジニア視点で解説
あけましておめでとうございます。MAチームとしては新年最初のブログになります。2025年はMIT STUDIOの移転もあり、新たなことへの挑戦の年になりそうで個人的にワクワクしています!本年もMIT STUDIOを何卒よろしくお願いいたします。
今回のブログは、2024年11月1日より改訂された「ラジオCM素材の搬入基準」について、ご紹介します。以前にも新基準についてのご紹介をしていますが、今回は実際に現場で録音から納品まで携わるエンジニア目線で、音声データの設定などをお話いたします。MIT STUDIOでは、これまで多くの「ラジオCMの収録から完パケまで」に、携わらせていただいてきましたが、今回の搬入基準の改訂は、収録時から気を付けなければいけない点もあり、かなり大きな変更となっています。
関連リンク:RadiPosを使用した「オンライン送稿作業」サポート業務を担当~ラジオCM素材搬入基準が変更に
主な変更点
- 平均ラウドネス規定(-24.0LKFS±1dB)
- ノンモジュレーション規定(規定秒数内の前後に0.1秒~0.5秒の無音設定)
- 素材ファイル構成の変更
- CM原稿に広告主名、CM素材名、CM秒数、素材判別情報を記載
Radi Posでの新基準サポート
- 平均ラウドネスを規定値に調整
- 前後の無音部分を0.1秒~0.5秒に位置調整
- ファイル秒数=本編秒数ではない場合に手動で本編切り出し
変更点についての解説
旧搬入基準から、どのように変更になったのかを、エンジニア視点で解説いたします!
平均ラウドネス規定
これまでの搬入基準は「-20dBFS」でしたが、今回の改訂から「-24.0LKFS±1dB」に変更になりました。これは『テレビ放送における音声レベル運用基準』に準拠するようです。この改訂により、完パケを作成する際に、ラウドネスの調整が必要になりました。
上記にも記載している通り、Radi Pos内には、ラウドネスを規定値に調整してくれる機能が実装されていますが、MIT STUDIOでは実際の聞こえ方を現場で確認したいため、手動でラウドネスの調整を行なっています。
ノンモジュレーション規定
個人的には一番大きな変更点だと感じたのですが、規定秒数内の前後に0.1秒~0.5秒の無音が必要になりました。20秒のラジオCMだった場合、収録時に19秒~19.8秒の間で尺調整をしなければいけません。
またBGMのフェードのかかり具合によって、無音部分が0.5秒より長いと判断されたケースもあるので、エンジニアとしてはかなり注意が必要な部分になります。
こちらの画像で私は、前後0.1秒のところにロケーションを打って尺の目安にしています。
素材ファイル構成の変更
- 音声クレジットとレベル規正用信号が廃止されました。
タイプ数の多いラジオCMの場合、すべてに音声クレジットを付ける作業に時間がかかっていたので、エンジニアとしては嬉しい変更点です!
- CM原稿の広告主名、CM素材名、CM秒数、素材判別情報を記載
音声クレジットが廃止されたことで、素材の判別が難しくなることを考慮し、素材情報を原稿に記載することになったようです。エンジニアがRadi Posに素材をアップロードすることもあるので、取り違え等が無いように、音声素材を聞きながら原稿を見てしっかりと判別するように注意していきます!
以上が、2024年11月1日より改訂された「ラジオCM素材の搬入基準」になります。今回の仕様変更は、ラジオCM収録時から把握しておく必要のある変更点もあるので、MIT STUDIOではエンジニア内で情報共有をし、スムーズに現場が進むように心掛けています。ラジオCMに関わるエンジニアは、最低限の知識は把握しているので、何かご不明な点などあれば、サポートさせていただけます。ぜひお気軽にご相談・お問合せ下さい。お待ちしております。
著者 : 山下華鈴(MAエンジニア)