- STUDIO
- 2023.10.18
新人エディターの2つの課題〜ノイズの聞き分けと納品作業の課題ついて
初めまして。2023年4月に入社いたしました、エディターの福地と申します。
3月までは大学で、主にラジオについて学んでおり、ワイド番組やラジオドラマを作っておりました。MIT STUDIOに決めた理由は大学4年に遡ります。卒業課題でドキュメンタリーを制作していた際、特に時間をかけたのが編集でした。取材音源を短くまとめたり、ノイズを削ることで聞きやすさが全く違うと感じ、音を磨くことに特化した仕事をしたいと考えました。しかし専門学校を出ていない私は、音に関する知識がほぼないに等しい状態だったため、ゼロからスタートでの入社です。
今回はそんな新人エディターの課題をお話いたします。
新人エディターの課題その①~ノイズの聞き分け
1番大きな課題です。エディターの仕事は、音声ファイルのノイズを除去することです。この仕事を始めてから、大学時代のノイズ認識は非常に甘かったのだと思い知らされました。
大学時代は編集する場合、上記画像のような波形でノイズを見つけていました。
こちらがMIT STUDIOで利用しているソフト、iZotope RX9で見た波形画像です。
関連記事:プロ御用達音声修復ソフト『iZotope RX9』の機能紹介
部分的にノイズを見つけることができます。『ノイズ』と一言で言っても、たくさんの種類があります。唇や舌を動かした際に鳴る音のことだったり、息に混じって聞こえてくる違和感のある音のことだったりと、例を挙げるとキリがありません。その中でも新人の私には苦手なノイズが2つあります。
鼻鳴り・喉鳴り
まず1つ目は、『鼻鳴り・喉鳴り』というノイズです。その名の通り、鼻や喉から鳴るノイズです。これは認識しづらいので、今でも指摘されて気付くことが多いです。聞き取ることが難しいのですが、処理すると聞こえ方が断然良くなります。
低音のノイズ
2つ目は、『低音のノイズ』です。主に声優さんの声の勢いに乗る、息の圧が音となって表れた「吹き」のノイズです。録音すると、こういったノイズが出てくるのは当然なので、完璧に取り除けるようになりたいです。
新人エディターの課題その②~納品作業
収録したデータをエンジニアから引き継ぎ、私たちエディターが編集・チェック・直しをしてから納品となります。録音エンジニア以降の作業は、エディターが行っています。先輩に教えていただきながらではありますが、つい1ヶ月ほど前から、納品作業を任せていただけるようになりました。
各案件ごとに納品形式や方法は異なります。例えば、WAV・MP3のどちらも納品したり、納品時のファイル構成が案件ごとに違ったりします。納品間違いが起こらないよう、以前納品したファイルを確認したり、先輩方に聞いて作業しています。「社会人としての責任感」とは、このことだと感じました。自分の手で納品したデータが、そのままお客様に届くため、その責任の重さを実感しています。
課題はまだまだたくさんありますが、少しづつ成長してきています。入社当初よりも聞き取れるノイズは増え、編集が速くなったり、私の編集したデータを、先輩方にチェックしていただいた際の直しも、少なくなっています。何より成長できたのは、エディターの先輩方のおかげです。温かい人柄と確かな技術を持っており、編集が丁寧でとても綺麗です。私もそうなれるよう、日々奮闘しています。
何かお困りの際は、ぜひMIT STUDIOまでご相談・お問い合わせください。
著者:福地可奈子(エディター)