- STUDIO
- 2023.10.12
【リモート収録Tips】『Blackmagic Web Presenter』使用したレコーディング設定方法
過去にも音楽レコーディングのリモート収録方法をご紹介していますが、今回はMA収録でのリモート収録のセッティング方法についてご紹介いたします。
リモート収録のセッティングとは、クライアントがスタジオに立ち会えず、直接収録を聴くことが難しい場合、スタジオの収録音声をリアルタイムで送り、遠方から参加できるようにすることです。
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リモート収録のセッティングは主に3つのやり方があるのですが、その中のひとつ『WebPresenterを使用したセッティング方法』をお伝えいたします。
Web Presenterとは?
『Web Presenter』は、Blackmagic Design社からリリースされている機材で、USBのタイプAケーブルをPCに繋げて、イーサネット経由で音と映像をこの一台で送ることができるものです。一般的にはYoutubeやFacebook、X等の各種SNSで、映像と音声をライブ配信するためのツールとして使われています。
関連リンク:Blackmagic Web Presenter
音声の設定
リモート先に送る音はディレクターマイク、Sample音声、録り音です。準備の仕方は、各々異なると思いますが、私はまずディレクター用のマイクを立てます。このディレクターマイクを一度卓へ立ち上げる為、ディレクターマイクを近くのマイクポケットに挿します。
次にパッチ盤上で、マイクポケットからMic Inputに挿し、卓3ch(仮)に立ち上げ卓上でファンタム電源、ゲインを上げることによってマイクが使えるようになります。
マイク→マイクポケット→Mic Input→卓3ch
次にこの立ち上がったマイクを、ProToolsに送ります。その前にまず、Auxトラックを一つ作っておきます。卓の3chのBusを4(仮)に設定した場合、パッチでBusの4からTools Inputの5(仮)に挿します。パッチでTools Inputを5に指定したので、ProTools上で先ほど作ったAuxトラックのI/OのInputを5にします。これでProToolsにマイクの音を送ることができるようになりました。
Bus4→Tools Input5〔パッチ〕→Tools Input5〔Tools〕
Inの次はoutの設定をします。私の場合はわかりやすくするために、I/Oを同じ数字にしているため、先ほどInputを5に指定したのでOutputも5にします。ProToolsでOutputを5に指定したので、パッチ盤上でTools Out5からマイクポケットに挿します。最後に机の横のマイクポケットから、Web Presenterへ繋げます。これで目的地のWeb Presenterまでディレクターマイクの音を運ぶことができました。
Output5〔Tools〕→Tools Out5〔パッチ〕→マイクポケット→Web Presente
次にリモート先にSample音声、録り音を送ります。これはとても単純で、ProTools上のSample、録りトラックのセンドを5にするだけです。Sample、録りトラックのI/Oはスタジオのスピーカーに繋がっていて、音を分岐させたい時、一つ以上の場所へ音を送りたい時にセンドを使用します。センド5で送った音は、Output5と同じ扱いになるので、この二つのトラックの音も無事にWeb Presenterまで送ることができます。
映像の設定
主にスタジオでは、同軸ケーブルで映像を分配することが多いです。音声の送り方と同様、InとOut。SDI In、SDI Out、SDI Loop Outを間違えずに繋げられれば、映像もWeb Presenterに送ることができます。
最後に
言葉にするととても長く難しいように感じますが、理解してしまえばか簡単にネット回線を繋げられるようになります。ProToolsのインサートもセンドも、I/Oも回線の流れなど何もかも分からない状態で、MIT STUDIOに入ってしまいましたが、今ではしっかりできるようになりました。
最後までご覧いただきありがとうございました。何かございましたら、お気軽にMIT STUDIOにお問合せ・ご相談ください。
著者:MAエンジニア