- STUDIO
- 2023.09.05
アシスタントエンジニアの業務レポート~ボーカルレコーディング現場での悩みと対処法
入社当初はアシアシ(アシスタントエンジニアのアシスタント)として、先輩エンジニアの頼もしい後ろ姿を眺めていた私も、1年半経過し、現在はアシスタントエンジニアという立場で、現場に入らせていただくことが増えてきました。
今回は、そんな新人アシスタントエンジニアの私が、ボーカルレコーディングの現場でオペレートをする際に、「ぶつかった壁(悩み)」と「乗り越えるために努めていること(対処法)」を、ご紹介していきます!
しっかり見て学んだつもりでも、実際にやってみると意外と出来ない、という現象は誰しもあることだと思います。極力このようなことが無いように、現場で分からないことがあれば自分で調べたり、現場が終わってから先輩に質問をしたりと、知識をつけることで解決出来そうな問題はあらかじめ無くしてきました。しかし、やはり実際にアシスタントエンジニアになってみると、アシアシのときには想定していなかった問題にぶつかりました。
悩みその①:ProToolsの操作に集中してお客様の話を聞き漏らしてしまう
レコーディングの流れはアシアシとして現場を見てきたので、「次はきっとこういう流れになるからこれをしておかないと」、「話が終わったらすぐ次が録れるよう準備しておかないと」などと、ProToolsの操作をしていると、その間にディレクターさんと演者さんが話していたことを聞き漏らしてしまうことがありました。
対処法
パンチインを完璧にし、フェードを書かずとも違和感なく聞けるようにすることで、少ない操作でなるべく手を動かすことに思考を割かないよう心がけています。声出しやレベル取りなども終え本格的に録り始めると基本は同じ操作の繰り返しなので、手が一連の動作を覚えるように練習するのも役に立つと思います。
悩みその②:焦って確認を忘れミスをしてしまう
私は緊張しやすい性格で、少しの時間であっても、お客様を待たせていると思うと焦ってしまう癖があります。貸しスタジオのスタッフとして現場を長引かせてはいけないと必要以上に急いでしまい、頼まれ事を済ませた後の確認が十分に出来ておらず、作業の抜けやミスに気づけないことがありました。
対処法
急いてしまうという精神的な問題をすぐに直すことは出来ませんが、頭から抜けてしまいがちな事を赤ペンで付箋に書きモニターに貼ることで、何度も視界に入れて思い出し意識しやすくしています。また、一度失敗したことはその時の恐怖心から用心するようになったり、何度も体験する事でスムーズに作業できるようになることもあるので、現場での慣れも必要なのだと思います。
プレイバックの間にしっかりとメモを
長時間の現場が終わった後は、緊張からの解放で、その日あったミスや疑問を忘れてしまうことがあります。思い出すきっかけとして、現場で出来なかったこと、分からなかったことは、プレイバックの間などにメモしておくことをオススメします。
新人アシスタントエンジニアとして、日々奮闘する皆様のお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました!是非ご気軽にお問合せお待ちしております。
著者:音楽エンジニア