- STUDIO
- 2023.08.22
『Sound Engine』を使用した無音の挿入方法について
今回、利用する「Sound Engine」は、Windows向けのオーディオ編集・録音用のフリーソフトです。そのSound Engineを利用し、今回はスクリプトを使って、無音の挿入を行う方法を、ご紹介したいと思います。
Sound Engine

関連リンク:Sound Engine公式サイト
無音を挿入する目的
案件によっては、各ワードの前後に無音の挿入することがあります。無音を挿入する事で、オーディオデータを再生する際、処理が間に合わず、ノイズが出てしまうといった事を予防できるからです。また、音が出るまでの時間が定まるため、膨大なオーディオファイルを扱う、開発者側から見ても扱いやすくなります。
無音の挿入
「Sound Engine」を起動すると、この様な画面が開きます。今回は、中段のツールバーにある「スクリプト」を選択して、スクリプトを書き込んでいきます。早速、無音を挿入するスクリプトを入力していきましょう。

無音を挿入する、実際のスクリプト
ファイルの読み込み
- [Folder Open]
無音を挿入 する関数
- [Side Insert Silence]
頭の無音時間
- Parameter1=0.5
最後の無音時間
- Parameter2=0.5
- パラメーターの単位は「sec」
ファイルの保存
- [Folder Save]
フォーマットの指定
- Extension=wav
裏で動いている処理内容は、以下の様なイメージです。「Folder Open」は、オーディオファイルを読み込む関数です。
- [x , fs] = WaveData ファイルの読み込み
- x = [ 0 , 0.2 , -0.5 , -0.58 …… ] オーディオデータ
- fs = 48000 サンプリング周波数
「Side Insert Silence」 は、前後に無音を挿入する関数です(読み込んだ音源のサンプリング周波数を元にして、任意の秒数に値するサンプル数分0(無音)を付け足します)。 Parameter1に、頭に無音を挿入する秒数を代入します。
- t = Parameter1 = 0.5 秒数
- fs × t = 24000 無音を挿入するサンプル数
- pre_zeros = zeros(1 , fs × t ) = [ 0,0,0,0,0,0…24000個] 無音の作成
- tmp = [ pre_zeros , x ] 無音の挿入
- Parameter2に最後に無音を挿入する秒数を代入
- t = Parameter2 = 0.2 秒数
- fs × t = 4800 無音を挿入するサンプル数
- post_zeros = zeros(1 , fs × t ) = [ 0,0,0,0,0,0…9600個] 無音の作成
- xx = [ tmp , post_zeros ] 無音の挿入
[Folder Save] は、オーディオファイルを保存する関数です。Extension = wav フォーマットをwavに指定します。
- Data.wav = [xx , fs] ファイルの書き出し


スクリプトを使う事で、膨大なファイルを一括で処理する事ができるため、効率的に編集を進める事ができます。無音の挿入以外にも、カットやフェード処理することも可能なので、扱える様になると便利です。
結び
エディターとして、クオリティの高い編集を追い求めることはもちろん、膨大な編集を行うこともあり、『可能な限りの効率化』も、重要になってきます。MIT STUDIOのエディターは、丁寧で確実な人たちばかりです。当方も効率の良い手順や、確認漏れのない手順を意識し、日々学んでおります。少しでも皆様の参考になりましたら幸いです。是非、MIT STUDIOまで、ご相談・お問合せ、お待ちしております。
著者:宮崎翔也(エディター)