- STUDIO
- 2021.02.10
ミキシングコンソール『ADgear SB2018』のメンテナンス@STUDIO5
MIT STUDIO第5スタジオのコンソール卓『ADgear SB2018』。このアナログミキシングコンソールの導入は1995年!今まで大きな問題もなく、25年以上も活躍してくれている卓ですが、さすがに経年劣化が各所にみられるので本格的なメンテナンスをしました。
長年の運用は信頼と安心の実績
放送局での運用を想定してつくられた卓です。(上記写真右端中央のON AIRスイッチが特徴的です)放送事故がおきないように細部までしっかりとした作りになっているためか、25年間も順調に動いてくれていました。普段から自分たちでフェーダーや接点のクリーニングなど、簡単なメンテナンスはしていますが、今回は端子の交換なども行うので、販売元であるアイコニックさんに来ていただきました。
関連リンク:アイコニック公式ホームページ
アナログ卓は年々減少。部品確保の問題も切実
かなり昔の卓ということもあるので、まずは部品の確保からお願いしました。アナログ卓に使われるような部品は、今ではもう作っていない部品もあるようで、今回は代替品などを用意していただきました。一番の懸念材料だった電源ユニットは、幸いなことにすぐ用意できるということで一安心。事前打ち合せにて使用頻度の高いモジュールと細かな不具合などをヒアリング。半日ほど時間をかけて、全てのモジュールのスイッチやツマミの点検。接点不良や回線などをチェックします。長年使用していない箇所はやはりガリが酷く、メンテナンスの必要性を強く感じました。
必要な部品が揃うまでの間に、先に電源ユニットを交換。別のスタジオですが、ある日突然電源が動かなくなり大騒ぎになったことがありました。この時は電源ユニットが2つあり、片方だけでなんとか運用し事なきを得ました。コンソールの心臓部でありながら、普段使用しているときは意識しないのが怖いところです。
いざメンテナンス実施へ
打ち合せから数週間後、部品が揃ったとの連絡を受けてメンテナンス実施です。
モジュールを一つずつ取り外し、接点などをクリーニング。事前にチェックしていた調子の悪い端子も順次交換していきます。
最後に何か不具合はないか信号を流しつつ動作チェックをして終了です。アナログミキシングコンソールのメンテナンスとして丸2日間の作業となりました。隅々まで綺麗になったSB2018。心なしか音質もよくなったような気がします。
音響機材は日々、しっかりメンテナンスしていけば何十年と使用に耐えられるものが多いですね。新しいものも開拓しつつ、ビンテージな音もしっかり残していく。そんなスタジオでありたいと思います。MIT STUDIOではご利用いただく皆さまに機材トラブルなどでご迷惑をおかけしないよう、定期的に機材メンテナンスもおこなっております。ぜひお問い合せお待ちしております。
著者:齊藤隆宏(MAエンジニア)