- STUDIO
- 2021.01.15
ナレーション収録での発音アクセントについて
今回のブログはナレーションの収録時に起こる様々な出来事のうち、『アクセント』について書いていきたいと思います。
アクセントとは?
言葉を発する際、一語の音節の高低または強弱
言葉はあっているけど違和感があったり、なまって聞こえるなどの現象を感じたことはありませんか?それが言葉の「アクセント」が異なった時の違和感です。日常生活で、習うことも意識することもないアクセントですが、収録現場では重要なことの一つです。
アクセントの種類は~平板、頭高、中高、尾高
例をあげると下記のようになります。
- 平板《例》 桜 サクラ→
(名前のサクラはアクセントは中高です)
- 頭高《例》 味噌 ミ↘︎ソ
- 中高《例》 習う ナラ↘︎ウ
- 尾高《例》 米 コメ↘︎(を)
●○ ●↘︎○だと、○は音が下がる部分です。
他にも、複数イントネーションがある場合《例》 ア↘︎ニメ アニメ→
同じ音(言葉)でアクセントが異なる場合《例》 熱い アツ↘︎イ 厚い アツイ→
このように言葉には基準となるアクセントがあります。
発音アクセントの基準~アクセント辞典
何が「アクセント」の基準なのか?
アクセントの基準の一つとして、『アクセント辞典』という辞典があります。単語の1つ1つにアクセントが記されております。
アクセント辞典のまえがきにも記されていますが、「ここに示したアクセントであれば、ある程度改まった場所で使っても、多くの人に自然に受け入れられる」しかし、「ここに載せていないアクセントを日本語として間違っている、おかしい、などと否定しているものではない」というのをご理解ください。
アクセント辞典のアプリも配信されております。アプリでアクセント辞典を持っているディレクターさん、役者さんも多くいらっしゃいます。お値段はそこそこしますが、とても便利です。現在はApp storeのみで販売しております。GooglePlayはまだ対応しておりません。早く対応してくださると嬉しいですね。
時代とともに変わるアクセント
若い人はアクセントが「平板」になりがちだと言われています。なぜアクセントが平板化になるのかは諸説あります。
- アクセントの強調をはぶき、会話の省エネをしている
- 平板で話せば、アクセントを気にしなくていい
などと、言われているようです。なので、最新のアクセント辞典は時代に合わせ、平板のアクセントも多く記されるようになりました。かと言って、全てのアクセントを現代のようにするのではなく、あえて違くすることもあります。
- 方言
- 時代物(あえて古いアクセントを使用など)
これらは現場で話し合い、作品に合ったアクセントで収録しています。
ナレーション収録でのアクセントの大切さ
ゲームをプレイしているときにアクセントで「なんか違和感が・・・」と思ってしまうと、言葉が頭に入らず、物語に集中できないこともあるので、アクセントは大切な部分です。
《例》複数のキャラが話しているシーンなどで、前後で同じ単語を言っているのに違うイントネーションで話されると違和感が出てきてしまいます。ただ、芝居の強弱、音の強さでアクセントがブレて聞こえてしまっても、そこは味なので大丈夫だと判断されることもたくさんあります。
『アクセント』の基準はありますが、そのアクセントでOKかどうかは現場のスタッフが判断し作品を作っています。アクセントが2種類存在している場合は、現場のスタッフで多数決をして決めることもありますよ。
最後にアクセントは収録現場で大切な部分です。
アクセントの判断のために必要なアクセント辞典を、MIT STUDIOでは常設しておりますので必要な際はぜひお使いください。(置き場所がわからない場合はスタッフにお声がけください。)
今回はナレーション収録現場で重要な『アクセント』についてご紹介いたしました。ぜひお気軽にご相談・お問い合わせください。
著者:MAエンジニア