- STUDIO
- 2020.03.11
ドラマCDの音声収録を担当~複数人同時収録の方法やメリットについて
過去のブログに引き続き、今回も、謎多きレコーディングの一部を紹介できれば!と思っております。
過去ブログ:ゲームの内容で異なる音声収録時の声優さんの体勢について
先日MIT STUDIOの第1スタジオで、【HANDEAD ANTHEM】のドラマCDの収録を行いました。エンジニアはMIT STUDIOが、担当いたしました。1stは通常、音楽案件の収録で、ドラムやピアノなどを収録する広いスタジオですが、このようにドラマCDやゲームボイス収録などの、複数人同時収録を行うことも可能です。
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今回収録は5名の声優さんで、4本のU87aiというマイクで収録を行いました。内訳ではメインキャラが4名でモブ(主要なキャラクター以外の、群衆の中の一人や通行人など)が1名でした。基本はそれぞれ声優さんに決まりのマイクがあり、モブの方はマイクを兼用していただきました。約40分ほどのドラマで、収録の流れは下記過程を繰り返します。
- マイクテスト(キャラ・収録レベルなどの確認)
- シナリオの区切りの良い部分まで収録
- 気になる部分をリテイク・修正
今回は全員揃っての収録でしたが、毎回揃って収録するのはなかなか難しいのも現状です。では、合わせて収録することのメリットデメリットをご紹介します。
メリット
- 掛け合いながらの収録なので、会話のテンポやアドリブが生きてくるところ
- 声優さん達がイキイキして楽しそうなところ(←ここ重要!)
デメリット
- 台詞が被ってしまうこと
- 同じ空間で収録しているため、前の台詞に被ってしゃべってしまうと他のマイクにも音声が入ってしまうこと
なぜ音が被るとよくないかというと、編集時に台詞と台詞の間をズラすことができなくなるからです。(※作品によっては全然被って良いものもあります!!)
台詞の食いつきを早くしたり、間を作りたかったり、SE/効果音との兼ね合い、場面転換など、被っていると処理できなくなることもありますので、その時は「収録時に被らないように」とお願いする場合があります。
では、エンジニア(私の場合)はどちらの収録方法が良いかというと…断然、同時に収録することが良いですね!声優の皆さんそうだと思いますが、単独収録の場合、前後の流れを考えながら収録を行いますが、全員だと、その場で掛け合えるのでお芝居が生きてきます。
掛け合い台詞の間合い
1人1人で収録する時は、各キャラの間合いは収録後に編集で作っていきます。間合いを決めるときは、なるべく声優さんの演技を汲み取って間合いを作りますが、やはり掛け合いでやるときの生感は、収録時に生まれるんだなとつくづく思います。
最後に…お客様から「複数人で収録できるスタジオが足りない」ということを、ここ数年よく言われていますが、MIT STUDIOでも複数人で録れるようご用意しております。気になった方や、実際にスタジオを見たい・見学されたい方がいらっしゃいましたら、どうぞお問い合わせください!!
著者:MAエンジニア