- MIT CREATIVE
- 2024.03.18
【Cubase Tips】ボリュームのオートメーションを利用したサイドチェインのかけ方をご紹介
MIT CREATIVEでは、WEB広告やTVCM、企業VP(ビデオパッケージ)、ゲームやYouTube等で使われる、BGM制作や、選曲、効果音制作など、「音」に関わる業務を、幅広く行っております。
以前、KICKSTARTというプラグインを使用した、『サイドチェインのかけ方』をご紹介しましたが、今回はまた違ったやり方をご紹介いたします。
サイドチェインとは
サイドチェインとは、外部入力の信号によって、エフェクトをコントロールすることです。例えば、EDM等でキックやスネアが鳴った時に、ベース等の音量が下がる「ダッキング」をさせるために使用します。
以前の記事でご紹介したKICKSTARTは、ダッキングさせたいトラックにインサートするだけで、簡単にサイドチェインをかけることができるプラグインです。関連記事は旧バージョンの紹介記事ですが、興味のある方はご覧ください。
関連記事:簡単にSide Cain(サイドチェイン)が作れるプラグイン『KICKSTART』
オートメーションを利用したサイドチェインのかけ方
今回はプラグインを使わず、「オートメーションを利用したサイドチェインのかけ方」をご紹介したいと思います。画像のようにキック、スネアのノートの位置に合わせて、減衰させたいトラックのボリュームオートメーションを書いていきます。つまりKICKSTART等のプラグインが行っている処理を、手動でコントロールしていくようなイメージになります。
この方法の主なメリットは、キック、スネアが鳴る位置によって、個別にフェードのかかり具合を調整することができる点かと思います。例えば画像では、1拍目、4拍目の表拍では真っすぐなフェードを書きつつ、2、3の裏拍では少し急な曲線のフェードを書いています。
2ステップビートなど、曲によっては、このようにかかり具合を分けた方が、リズムに抑揚がつく場合があるので、おすすめです。一曲通して同じリズムの場合は、1フレーズだけオートメーションを書いて、残りはコピペしていけば、そこまで時間もかからないです。
とはいえ、かけたいトラックが複数あった場合、一個一個にかけていくのは大変だと思うので、かけたいトラックをまとめたグループトラックを作り、そこのオートメーションで一気に書いてしまうのが一番楽かと思います。
今回はベース+コードシンセと、サブベースでオートメーションのかかり具合を少し変えたかったので、画像のようにグループトラックを分けています。実際にサイドチェインをかける前と、かけた後をソロで聞くとこういった感じになります。
サイドチェイン比較音源
前半はサイドチェインがかかる前、後半がかかった後です。
キックが前に出て芯のあるサウンドになったかと思います。楽曲を全体で聞くとこういった感じになります。
やはり、オートメーションを書くとなると、細かい作業で時間はかかってしまうかもしれませんが、その反面、より細かくかかり具合、かかるタイミングを調整できる方法でもあるので、興味のある方はぜひ試してみてください。
MIT CREATIVEでは、ゲーム、TV、WEBCMなど様々な用途向けに楽曲制作や選曲・効果音制作を行っておりますので、お気軽にお問合せ・ご相談ください。
著者:針生将宏(サウンドクリエイター)