- STUDIO
- 2023.11.29
新人レコーディングエンジニアの業務レポート~入社半年後のアシスタント業務や目配りについて
新人アシスタントエンジニアの宇佐見です。2023年春にMIT STUDIOに入社し半年が経過しました。出来ることや現場の見方も変わり、半年間で自身の成長を感じる場面も増えてきました。
そこで今回の記事では、入社半年後のレコーディングエンジニアのアシスタントとして、現場ではどのようなことに目を配っているかなどを、お伝えしたいと思います。これから音楽スタジオへ就職を考えている方々の参考になれば幸いです。
セッティングからお客様を迎えるまでの作業
レコーディング準備は、当日の準備だけではなく、エンジニアとのコンタクトから始まります。主にセッティング機材の確認や、配置、データの受け渡しなどです。データの受け渡しは、エンジニアからだけではなく、ディレクターやクライアントから受け取る場合もあります。こうして受け取ったデータを、あらかじめ準備をします。ここでの準備というのは、セッションの作成、譜面や歌詞の印刷です。
セッションの作成では、クリックトラックを作成、録音するトラックの作成、センドやアウトプットの指定です。この作業はスタジオのスピーカーがない環境でも、DAW(Digital Audio Workstation)、印刷機があればできることなので、事前に準備します(当日、準備時間に余裕をもたせることができるため)。
そしてレコーディング当日は、スタジオの掃除から始めます。この時に前案件の卓のバラシ忘れがないかをよく見るようにしています。準備全体で言えることですが、丁寧かつ時計を見ながら、迅速な作業を特に気にしています。
掃除が終わり、事前に確認をしていたセッティングリストを見て回線を作ります。セッティングする際には、エンジニアが普段どの位置にマイクを立てているかを考え、その付近にマイクを立てるようにしています。また、エンジニアの持ち込みのマイクがある場合もあるので、ケーブルにドラフティングテープを貼り、一眼でわかりやすいようにしています。回線チェックでは一本ずつマイクチェックをし、フェーダーをあげたら音がくるところまで準備します。
アシスタントとしての現場でのオペレーションや気配りについて
入社して半年が経ち、現場を回すことも増えてきたと感じます。しかし、アシアシ(アシスタントエンジニアのアシスタント)として現場に入るのと、アシスタントエンジニアとして現場にいるのとでは、感じる空気感も気を配るところも全く違うように感じます。
際たる例として、ディレクターの一言一句を聞き落とせないところです。当たり前のようですが意外と神経を使うもので、今の今まできちんと聞けていたのにも関わらず、画面に少し集中をしたタイミングで、ディレクターが放った言葉を聞き逃してしまうなど、まだまだ足りない部分も多いと実感します。
しかしその一方で、作業自体の速度や精度は上がってきていて、以前よりも周りが見えるようになったとも感じています。このように部分的にではありますが、普段の現場でなにを考えて行動しているか綴ってみました。今回記事にしたこと以外にも、現場ではつねに色々と考えて行動しています。
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著者:宇佐見尚之(音楽エンジニア)