TOP > TOPICS(更新記事一覧) > STUDIO > 入社2ヶ月の新人レコーディングエンジニアの1日~始業からバラシまでの流れ
  • STUDIO
  • 2023.06.07

入社2ヶ月の新人レコーディングエンジニアの1日~始業からバラシまでの流れ

記事をご覧頂きありがとうございます。はじめまして、入社一年目の宇佐見と申します。ゴールデンウィークも過ぎ、夏を少し感じ始める季節になりました。体温調整が難しいですね、皆様も体調管理には気を付けて下さい。

MIT STUDIOの新人レコーディングエンジニアは、少しずつではありますが、先輩から作業を頼まれる機会が増えてきました。そこで、この記事では入社2ヶ月程の新入社員が行う作業を抜粋して、ご紹介します。就職活動の助けになればと思います。

レコーディングスタジオ

スタジオに入ってまずは電源入れと掃除

朝、スタジオに到着したら「ヨシ!MIXしよう」と、言いたいところですが、最初にすることは諸々の電源入れと掃除です。レコーディングスタジオは準備が大切なのです。電源は、分電盤という大元の電源スイッチがまとまっているパネルでつけていきます。電源を入れる順番に、気をつけなければいけない機材もあるので、注意して行います。そして別にある電源を供給してくれる機材をつけ、PC、最後にスピーカーの電源をつけます。ここまでの作業にも、電源に順番があり、スタジオに就職したら、まず電源の入れ方と掃除を覚えることになるかと思います。

分電盤

機材のセッティングは丁寧に

掃除が終わり、次にやることはセッティングです。録音の規模や、エンジニアさんからの要望で、使用する機材は変わってきます。見たことない機材や、ヴィンテージ機材を見ると、テンション上がりますよね。この時に気をつけなければいけないのが機材の扱いです。これでもかと言うほど、丁寧に扱います。

なぜここまで丁寧にしなければいけないかと言うと、値段の張る機材があるのもそうですが、1番に機材はちょっとしたことで壊れてしまいます。ボタン一つで壊れ、繋ぐ順番を間違え壊れと、些細なことで破損します。ちょっとしたミスで、想像するのも怖い結末を招くので、確実に丁寧に行うのです。また、外部エンジニアさんが自前の機材を持ってくる可能性もあるので、よりいっそう丁寧に扱います。

プログラム中はアシアシとして見学

その後もセッティングを続け、準備を完了させてお客様を待ちます。お客様やディレクターさん、エンジニアさんに、お手洗いの場所などを聞かれることがあります。その際は素早く対応します。録音が始まったら、新人アシアシ(アシスタントエンジニアのアシスタント)は何をしているのか?というと、アシスタントエンジニアの後ろで見学です。見て学ぶと、書いて見学です。アシスタントの手元や、PC画面で先輩アシスタントエンジニアが何をやっているかを学びます。アシスタントによって同じ作業でも、やり方が違うので、各先輩アシスタントエンジニアを参考にしつつ、自分に合ったやり方を見つけます。

アシアシは他にも、演者さんがブースとコントロールルームを行き来する際の扉の開閉、歌詞・楽譜のコピーなど動き回ることが多いです。アシアシは場の空気を読んで、自分に何が必要かを客観視することが大事だと思っています。

バラシやバックアップは手順を踏んでトラブルを回避

プログラムが終わり、セッティングしたものをバラしていきます。この時もセッティングと同様、丁寧に機材を扱います。バラす時にも、バラす順番があったりするので、焦らずしっかりと手順を踏んで最後までトラブルのないように気をつけます。同時に、その日に録ったデータを、バックアップします。この作業は万が一のことがあった時の保険です。絶対に忘れないで保存しておきます。その後はスタジオを元に状態に戻して、電源を落とし、スタジオの鍵をかけて1日が終わります。

最後に

今回は新人エンジニアの1日を一部切り取ってご紹介しました。もちろん全く違う動きをする日もあります。レコーディングエンジニアを目指しスタジオに就職予定の方は、絶対にアシアシという道を通るので、このトピックが役に立ったらと思います。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

著者:宇佐見尚之(音楽エンジニア)

TOPICS一覧に戻る

topへ戻る