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  • 2022.08.09

ダミーヘッドマイクを使用したバイノーラル収録~通常のボイス収録との違いなど

先日MIT STUDIOにて『バイノーラル音声』の収録を行いましたので、バイノーラル収録についてご紹介します。

ダミーヘッドマイクを使用したバイノーラル音声の収録

バイノーラル音声とは、ヘッドホンやイヤホンで聞いた時に、まるでその場で聞いているような感覚になるように収録された音声です。人の頭部の形をしたマネキンのようなもの(ダミーヘッド)の耳にマイクを入れて収録する方法などがありますが、今回ご紹介する収録においては、お客様が持ち込まれたダミーヘッドマイクを使用しました。

お客様がお持ち込みのダミーヘッドマイク

このダミーヘッドマイクを使用することで、「左右の耳に届くタイミングや音量差」、「音が聞こえるまでの反射」等で起こる、音の変化を再現して収録ができます。つまり、人間が普段音を聞いている環境に近い音で収録することができることになります。

今回の収録は、MIT STUDIO第3スタジオにて行われます。MIT STUDIOにはダミーヘッドマイクは常設していませんが、ダミーヘッドマイクがあればバイノーラル録音が可能です。

バイノーラル収録の準備

台本の立ち位置で音声を収録

台本に立ち位置を意味する数字が書かれており、それらに対応した立ち位置で収録していきます。そのため、台本の数字に対応するように、足下に数字をバミリます(MIT STUDIOでは白のビニールテープに数字を書いて使用します)。

シチュエーションによって、相手との距離が異なったり、聞こえてくる方向が違ったりします。それを表現するために、近い場所(3m)と遠い場所(10m)、それぞれ前後左右と斜め方向の8箇所ずつ、計16箇所の立ち位置の指定があります。今回の収録ではスタートのきっかけのために、スタジオの隅にCUEランプも用意しました(上記写真の右奥)。

通常のボイス収録とダミーヘッドマイクを使う収録の違い

バイノーラルの収録は、一般的なナレーションやボイス収録とは異なる点が多いです。前述のように、台本には普通のボイス収録にはない立ち位置の指定があり、役者さんにはm台本に書かれた数字にしたがって、足元の数字の場所で演技をしていただき、収録を進めていきます。

位置が変わるバイノーラルの収録は、基本的に立ちでの収録になります。今回の収録はオーソドックスな立ちでの収録でしたが、シチュエーションに合わせて、マイクの下から収録したり、椅子などに乗って上から収録する、あるいは、近付きながら喋ったり、右から左に移動しながら喋ったりと、役者さんが移動しながら演技をすることがあります。そういったところも、基本的にマイクの正面で録音する普通のボイス収録との違いになります。

また、異なる点はブースの中に限った話ではなく、コントロールルーム側にもあります。レコーディングエンジニアやディレクターさんのモニターは、聞こえ方や聞こえてくる場所を確認するため、ヘッドホンを使用します。シチュエーションと聞こえてくる方向が間違っていないか確認することも、バイノーラルの収録ならではの作業です。

まずはご相談ください!

MIT STUDIOでは、機材のレンタルだけでなく、今回のように、お客様側でマイクをお持ちいただき収録をすることも可能です。バイノーラル収録に限らず、ご相談いただければ当スタジオが最大限対応させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。

著者:(MAエンジニア)

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