- STUDIO
- 2025.05.12
ノイズ&残響除去音声プラグイン「Clear」の使い方をご紹介~AIがリアルタイムでノイズ・残響・音声を除去
今回は、MIT STUDIO 第1スタジオ・第2スタジオに、新しく導入されたプラグイン「Clear」の使い方をご紹介いたします!
Supertone「Clear」とは
「Clear」とは、韓国のSupertone社が、2023年3月にリリースしたリアルタイムAIノイズ除去プラグインです。「AMBIENCE」、「VOICE」、「VOICE REVERB」の3つのノブの操作で、簡単に音源からボイスやバックグラウンド音、リバーブを調整し、抽出することや、逆に特定の成分だけ増幅させることも出来ます。
MIT STUDIOでの運用として、主にライブミックスの作業で、アーティストさんが使用するハンドマイクや、ヘッドセットが拾ってしまう「被り」と呼ばれる、声以外の余分なノイズや、MCや歌唱中以外にマイクが拾っている、バックグラウンド音を抽出する際に使用しています。
これを手作業で行う場合、ライブの長尺をヘッドホンで聞きながらノイズか声かを判断してカットしていかなければならないため、膨大な時間がかかってしまいますが、これをボタンひとつでAIが解析して行ってくれるので、作業効率が圧倒的に高まりました!
Supertone Clear Demo
独自の音声分離ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークとは、人間の脳の動きを真似してデータをAIに処理させる機械学習のモデルの1つで、Supertone社は、もともと生成型AIサービスの開発に優れた会社でした。テキストを音声に変換するTTS(Text-to-Speech)というAI音声技術の提供から始まり、Supertone独自に開発された音声合成基盤モデルを使用した技術により、音色・発音・ピッチ・アクセントの4つの構成要素から調整、実際の人間の発話に近い声を具現化することを可能としました。このAI技術の土台を応用とした音声の解析技術により、手軽にノイズや残響、音声を取り除く「Clear」が誕生しました。
使い方
操作方法は至ってシンプルで、トラックにClearをインサート、もしくはAudioSuiteでクリップを選択した状態で、各ツマミのパーセンテージを調整するだけです!デフォルトの画面では全てのツマミが12時の位置を指しており、ここから3つの成分のうち除去させたい場合は左に、増幅させたい場合は右にツマミを回していきます。音声のみを除去している状態。アナライザーもついているので視覚的にも分かりやすいです!


元のクリップと実際にレンダーし終えた状態のクリップを見比べてみると…

このように波形の見た目からも一目瞭然ですね。トラックにインサートして使用する場合の方が、実際に音を聞きながら調整できるので楽かもしれないです!SupertoneではClearの無料体験版も行っているので、もしご興味が湧いた方は使用してみてください。
如何だったでしょうか。今回はSupertone社のプラグイン「Clear」をご紹介をさせていただきました。MIT STUDIOでは定期的に新しいプラグインを導入しています。スタジオを利用されるお客様が、快適に使用していただけるよう、スタッフ一同務めて参りますので、是非お問合せお待ちしております。
著者 : 粕川鈴(音楽エンジニア)